ドイツ西部のアーヘンにある大聖堂と宝物館を2024年11月に訪れたので、見どころを紹介します。黄金に光り輝く装飾や展示物、色鮮やかなステンドグラスは必見です。
アーヘン大聖堂の概要
基本情報
アーヘン大聖堂は、ドイツ・オランダ・ベルギー3カ国の国境に近いアーヘンにある、カトリック教会の大聖堂です。フランク王国の国王だったカール大帝が8世紀後半に建設させた宮殿教会と、その後に増築された複数の礼拝堂で構成されており、ヨーロッパでも最古の大聖堂の一つです。また、ドイツで最初に世界遺産として登録されました。
フランク国王・ローマ皇帝として西ヨーロッパのほぼ全域を治めたカール大帝が埋葬された場所でもあり、大帝の没後は歴代30人の神聖ローマ皇帝の戴冠式が行われた場所でもあることから、アーヘン大聖堂はヨーロッパ・キリスト教社会で特別な地位を占めてきました。
- 施設名称:アーヘン大聖堂(Aachener Dom)
- 住所:Domhof 1, 52062 Aachen
- 公式HP:https://www.aachenerdom.de/en/
- 見学時間:
- 月~木: 11:00~18:00
- 金・土: 11:00~19:00
- 日曜日: 13:00~17:30
- 入場料: 無料(写真撮影する場合は1€)
アクセス
アーヘン大聖堂の最寄り駅はアーヘン中央駅(Aachen Hbf)で、電車でデュッセルドルフから1時間半弱、ケルンから約1時間、フランクフルトからは約2時間です。
アーヘン中央駅から大聖堂までは、徒歩で約15分です。
車で行く場合はデュッセルドルフから約1時間で、大聖堂の近くに大型の立体駐車場があります。
アーヘン大聖堂の見どころ
アーヘン大聖堂の正面入口は、このようになっています。そびえ立つ尖塔が目を引きますが、ケルン大聖堂とは異なり見物客が塔を登ることはできません。
中に入ってみましょう。入場料は無料ですが、写真撮影をする場合は、入口にある募金箱に1€を入れる必要があります。
アーヘン大聖堂はこじんまりとしたシンプルな構造で、中に入ると八角形のドームが目に入ってきます。
このドームはカール大帝が8世紀後半に最初に建てた宮殿教会部分で、見物客はドームの周囲を時計回りに進むことになります。なお、このドーム建築は当時としてはアルプス以北で最大だったようです。
ドームの真下から天井を見上げた様子です。ドーム内側は直径約14.5mで、金色をベースに驚くほど精緻なモザイクが施されています。
ドームの天井から27mの鎖で吊り下げられているシャンデリアは、バルバロッサ・シャンデリアと呼ばれています。神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世が、1165年頃に制作させたと言われています。
金の装飾がとても豪華ですね。直径4.2mのシャンデリアの周囲には48本のロウソクがあり、現代でも特別な儀式の際には灯がともされるようです。
ドームの周囲の壁や天井にも、美しいモザイク画や装飾が施されています。
西ヨーロッパの建築物ですが、どことなく東方の香りも感じます。
こちらの聖母子像は14世紀頃に造られたもので、なんと約40着もの衣装を着ているとのことです。
八角形ドームの奥には、ガラスの礼拝堂と呼ばれる場所があります。これは14世紀中ごろから15世紀にかけて増築された礼拝堂で、色鮮やかなステンドグラスが特徴です。
礼拝堂の祭壇は金で装飾されており、1020年頃に造られました。全部で17個の金のパネルがあり、中央がキリストを表していて、周囲のパネルはキリストの生涯を描いたものとのことです。
祭壇の奥にはマリアのシュライン(Marienschrein)と呼ばれる聖遺物箱があり、アーヘン大聖堂が所有する4大聖遺物が納められています。こちらも金で出来ていて、豪華絢爛です。
なお、聖遺物は7年ごとに一般公開されるようです。日本のお寺でも何年に一度か本尊や宝物を「御開帳」したりするので、似たような感じでしょうか。
マリアのシュラインの右上には、これまた金ピカの説教台があります。神聖ローマ皇帝ハインリッヒ2世が11世紀前半に制作させたと言われています。
マリアのシュラインの奥には、空中に吊り下げられた聖母子像があります。こちらは両面に像があるタイプということですが、見物客の方から見えるのは、下の写真のように正面部分だけです。
そしてその下には、カールのシュライン(Karlsschrein)と呼ばれる聖遺物箱があり、カール大帝の遺骨が納められています。やはり全面に金装飾が施されています。
それにしてもステンドグラスは本当に美しいです。
ガラスの礼拝堂は32mの高さがあり、天井までステンドグラスが配置されています。ステンドグラスの総面積は1,000㎡もあるとのことです。
入口の左側には、ニコラスの礼拝堂という1475年頃に増築された礼拝堂があります。こちらは青をベースにした爽やかな雰囲気のステンドグラスが特徴です。
ここまで青を主体にしたステンドグラスは珍しいと思います。
宝物館
アーヘン大聖堂には付属の宝物館もあり、豪華絢爛かつ歴史的価値が高い所蔵品がたくさん展示されています。
基本情報
宝物館は、アーヘン大聖堂の入口を背にして右に進んだ所にあります。徒歩約1分です。
- 施設名称:アーヘン大聖堂 宝物館(Aachener Domschatzkammer)
- 住所:Johannes-Paul-II Straße, 52062 Aachen
- 公式HP:https://www.aachener-domschatz.de/
- 開館時間:
- 月曜日: 10:00~14:00
- 火~日: 10:00~18:00(1~3月は17時閉館)
- 入場料(2024年11月現在): 大人7€、学生4€、6歳以下無料。
なお、サイズを問わずカバンの持ち込みは禁止されているので、入口を入って右側にあるロッカーに預ける必要があります。ロッカーの利用には1€または2€硬貨が必要です(コイン返却式)。
見どころ
宝物館の見どころを紹介していきます。
まずは最も有名なこちら、カール大帝の黄金の胸像です。教科書にも載っているので、どこかで見た記憶がある人も多いと思います。14世紀半ばに制作されたもので、頭の部分にはカール大帝の頭蓋骨の一部が納められています。
金がふんだんに使われているのはもちろん、色とりどりの宝石も数え切れないほど配置されていて、贅を尽くした造りですね。
こちらの黄金の右腕像には、カール大帝の右腕の遺骨が納められています。フランス国王ルイ11世から15世紀後半に寄贈されたらしいです。
こちらはカール大帝が使用していたと言われている象牙のホーン。戦場で仲間を呼んだりするために使用されていたようです。
カール大帝が狩猟などで使っていたとされるハンティングナイフもありました。
こちらの棺には、カール大帝が814年に永眠した際に遺体が納められたと言われています。ローマの大理石で造られています。
なお、遺骨はその後1215年に神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世が、大聖堂にあるカールのシュラインに移したとされています。
こちらの祭壇画は3面パネルになっていて、16世紀前半にケルンで制作されたものです。絵の下にある祭壇は、やはり金ピカです。
こちらも3面祭壇画っぽいですが、絵画ではなく黄金のレリーフになっています。
西暦1000年頃に作られた黄金のブックカバー。中央のパネルは象牙で作られていて、その周りは金と数々の宝石で装飾されています。福音書のカバーとして使われていたようです。
下の写真の王冠(左)は、イギリスのヨーク公マーガレット妃が、ブルゴーニュ公国のシャルル公と1468年に結婚した時に身に着けていたものです。中央にあるMの文字はマーガレットを表しているようです。マーガレットが後年アーヘンを訪れた時に、大聖堂に寄贈したと言われています。
こちらは全身黄金の聖母子像です。頭の先からつま先まで、まばゆい光を放っています。
この他にも、豪華絢爛な所蔵品がたくさんあります。
金や宝石を多用した豪華な展示物はその美しさで見物客を魅了しますが、教会関係のアイテムでこんなに豪華である必要があるのかについては、色々な考え方があるような気がします。
宝物館の地上階には、こんな素敵な中庭があります。
ベンチもたくさんあるので、見学後にひと息付くのにおすすめです。
まとめ
この記事では、アーヘン大聖堂の2024年11月時点の観光情報と見どころを紹介しました。また、大聖堂付属の宝物館にある豪華絢爛で歴史的価値の高い展示物についても、主な見どころをお伝えしました。
アーヘン大聖堂は、ヨーロッパの歴史で指折りの重要人物であるカール大帝と強い結びつきがあり、何世紀にもわたり政治的・宗教的に重要な役割を果たしてきた場所なので、歴史好きの方は必見です。また、豪華で美しい装飾や展示物は、見ているだけで魅力的です。
デュッセルドルフやケルンなどドイツ西部の主要都市からも日帰りで行けるので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
同じNRW州にあるケルン大聖堂の見どころについては、以下の記事をご覧ください。
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