電車好きのお子さんにとって、ドクターイエローは憧れのヒーローのような存在ですよね。また、そんなお子さんを持つパパ鉄・ママ鉄の皆さんにとっても、ドクターイエローは特別な存在なのではないでしょうか。
そんなドクターイエローファンにとって、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
報道によると、JR東海とJR西日本が1編成ずつ有しているドクターイエローについて、JR東海の車両は2025年1月、JR西日本の車両は2027年を目途に運行を終えるとのことです。
引退の発表は残念ですが、逆に言えば上記の引退時期までは運行が続けられる予定なので、今からでもドクターイエローの実物を見学するチャンスはあります。
幸い我が家は2022年10月に「浜松工場へGO」というイベントに参加し、ドクターイエローを間近でたっぷり見学した上で、実物の車両内部に入ることもできました。その時の様子は、この記事で詳しくご紹介していきます。
2024年8月31日追記:2024年にも「浜松工場へGO」が開催されることが決定しました!10月19日(土)と20日(日)に、それぞれ日帰りのツアーとして開催され、ドクターイエローの車内見学や間近で写真撮影ができます。これがラストチャンスかもしれないので、ファンの方はぜひ参加してみてください。
東海道新幹線開業60周年企画「JR 東海 浜松工場へ GO 」ツアーを 開催 します!(PDF)
ツアーの詳細は上記の公式案内を参照して頂きたいのですが、ざっくりいうと(1)首都圏発、(2)中部・関西地区発、(3)静岡地区発、(4)浜松駅発、の4つのプランがあり、それぞれの概要は次のとおりです。
浜松工場へGO(2024年版 )の概要 (*10月19日、20日とも共通)
プラン | 出発地 | 移動手段 | 浜松工場着 | 浜松工場発 | 料金(大人) |
---|---|---|---|---|---|
首都圏発 | 東京駅(6:54)、品川駅(7:01)、新横浜駅(7:12) | 団体専用新幹線 | 9:15 | 11:45 | 28,100円~35,500円 |
中部地区・関西地区発 | 新大阪駅(12:00)、京都駅(12:16)、名古屋駅(12:51) | 団体専用新幹線 | 14:15 | 17:00 | 中部地区:19,800円~21,800円 関西地区:27,400~36,000円 |
静岡地区発 | 三島駅(10:15)、静岡駅(11:10)、掛川駅(11:52)、豊橋駅(12:48) | 団体専用列車 (豊橋駅で団体専用新幹線に乗り換え) | 14:15 | 17:00 (豊橋駅18:13着後に解散) | 15,500円~16,500円 |
浜松駅発 | 浜松駅(8:13) | 団体専用新幹線 | 9:15 | 11:45 | 13,800円 |
いずれのプランでも、お昼のお弁当が付いてきます。
2024年版「浜松工場へGO」の主な内容は次のとおりです。
- ドクターイエローの車内見学&記念撮影
- T4とT5の2編成が展示され、そのうち1編成の車内を見学できるようです。
- ツアー専用列車で新幹線唯一の踏切を通過
- 新幹線を下から眺める
- 保守車両を間近で見学
上記の情報を見る限り、私たちが2022年に浜松工場へGOに参加した時とほぼ同じ内容になるようなので、下記で紹介する私たちが参加した時のツアーの様子がとても参考になると思います。ぜひ当記事を最後までご覧ください。
なお、2024年版「浜松工場へGO」は下記のサイトで9月3日(火)の14時から申し込み開始です。
2024年8月2日追記:2024年10月12日(土)と15日(火)に、ドクターイエロー乗車イベントが開催されることが決定しました。JR東海と西日本が実施する計5コースで、それぞれの定員は50名のみ。申し込みは抽選で、申込期間は限られているので、ドクターイエローに乗りたい方はこのチャンスを逃さないようにしましょう!概要は次のとおりです。
JR東海のドクターイエロー体験乗車 イベント
開催日は2024年10月12日(土)で、14:51に東京発 、17:24に 新大阪着の乗車イベントです。使用車両はT5編成です。
定員50名で抽選となります。申込期間は2024年8月8日(木)から8月15日(木)までなので、この機会を逃さないようにしましょう。イベントの詳細と申し込みは、下記サイトをご参照ください。
JR西日本のドクターイエロー体験乗車プラン
こちらは以下の計4コースがあります。
実施日 | 乗車区間 | 編成 | 応募期間 | 定員 |
---|---|---|---|---|
10月12日(土) | 新大阪→博多 | T4 | 8月2日(金)11時00分~ 8月4日(日)23時59分 | 50名 |
10月12日(土) | 新大阪→博多 | T5 | 8月16日(金)11時00分~ 8月18日(日)23時59分 | 50名 |
10月15日(火) | 博多→岡山 | T5 | 8月2日(金)11時00分~ 8月4日(日)23時59分 | 50名 |
10月15日(火) | 岡山→博多 | T5 | 8月16日(金)11時00分~ 8月18日(日)23時59分 | 50名 |
こちらも定員は各50名で、抽選となります。いずれも応募期間が短いので、お目当てのコースについて忘れずに申し込むようにしましょう。
コースの詳細や申し込みは、下記サイトをご覧ください。
以下、この記事では我が家が「浜松工場へGO」に参加し、実際にドクターイエローの車内外を見学した時の様子をお伝えします。
記事の後半では、見学ツアー以外でもドクターイエローを見るためのおすすめの方法についてもご紹介します。
浜松工場へGOの概要
「浜松工場へGO」は、2022年と2023年の10月後半の土日に、それぞれ日帰りのツアーとしてJR東海ツアーズが開催しました。
基本的な内容は両年ともほぼ同じで、午前中に東京エリア(東京、品川、新横浜)から、午後に関西・中部エリア(新大阪、京都、名古屋)から、それぞれツアー専用の貸切新幹線でJR東海の浜松工場を訪れ、ドクターイエローやその他の新幹線、保守用車などを間近で見学するというものです。なお、2023年10月の開催では「静岡地区発、在来線利用」のプランもあったようです。
浜松工場へGO 参加レビュー
ここからは、私たちが2022年10月23日(日)に浜松工場へGOに参加した時の様子やおすすめポイントなどについてご紹介していきます。
品川から浜松工場へ
私たちは関東に居住しているので、品川駅から乗車するという内容で「浜松工場へGO」に申し込みました。当日の朝は早く、ツアー専用のN700Sは品川駅を午前7時31分に出発。駅の発車案内版には列車名「団体」と表示されていました。
新横浜でも数分停車して乗客を乗せた後、車両は浜松工場を目指して通常の新幹線と同じように進んでいきました。私たちが乗っていた車両を見る限り、乗客は8割~9割が親子連れで、残りは一人で参加している成人男性という構成でした。
列車は浜松駅を通過後、浜松工場につながる専用線路に入りました。そして工場の手前で、東海道新幹線で唯一の踏切を通過。沿線では手を振ってくれている人たちがたくさんいました。
踏切を通過し、浜松工場に入っていきます。早速ドクターイエローの姿も見えてきました。車内の子供たちから歓声があがります。
窓の外では、何人ものJR東海の社員が手を振って歓迎してくれているのが見えます。休日出勤お疲れ様です。
私たちが乗車していた新幹線は、予定どおり午前9時半頃に浜松工場に到着しました。今まで乗っていた車両と記念撮影です。
上の写真をよく見ると、車両の先端が結構汚れているのが分かります。おそらく走行中に虫がたくさん付くのだと思います。クルマで高速道路を走行しても結構虫が付くので、3倍のスピードの新幹線だともっと凄いでしょうね。こんな近くで、新幹線と同じ高さで車両の先端を見る機会も無いので、新鮮です。
これから始まる工場見学に期待が高まります。
ドクターイエローを車内外から見学
浜松工場では約2時間の見学時間があり、基本的に自由行動でした。工場はとても広大で、Wikipediaによると約346,000㎡の敷地面積があるようです。
敷地の中ほどに進むと、一番のお目当てであるドクターイエローが鎮座しているのが見えてきました。車内の見学は時間を区切っての入れ替え制とのことで、約30分後の番号札を受け取り、しばらく外側からドクターイエローの雄姿を満喫しました。
正直言って私はあまり詳しくないのですが、マニアな息子が「このドクターイエローはT4編成で7両あるんだよ」と教えてくれました。
家族全員で記念撮影もしてもらいました。JRの社員さんが至る所にいて、向こうから「写真撮りましょうか」と話しかけてくれる場面が多かったです。
上の写真で後ろに移っている親子はドクターイエローのペアルックですが、わが家も負けていません。息子だけですが、この日はもちろんお気に入りのドクターイエローのTシャツを着てきました。
他のお子さんも、新幹線がプリントされた服やリュックを身に着けた子が多かったです。
車内見学の時間が来たので、いよいよドクターイエローの車内に乗り込みます。
車内は撮影禁止だったので、残念ながら写真はありませんが、簡単に各車両を紹介します。
1号車は先端に前方監視カメラがあります(運転席には入れませんでした)。車両の機能としては、電力や信号通信を測定するための電気検測室になっており、複数のモニターが設置されていました。
2号車は、主にトロリ線(パンタグラフを介して車両に給電するための線)の摩耗状態を測定するための装置が備わっていました。
3号車は、車両の中ほどに階段があり、その先に観測台と観測ドームがありました。階段を上がることは出来ませんでしたが、乗り物DVDで何度も見た観測ドームの様子に息子は「すごい!ほんものだ!」と大興奮でした。
4号車は、軌道の状態をチェックするための装置・設備がある「軌道検測室」です。たくさんのモニターとそれを監視する乗務員のための椅子、そしてプリンターが数台ありました。
5号車は、3号車と同じく観測ドームがある車両です。また、洗面台とお手洗いもありました。
6号車には、打ち合わせができるミーティングスペースがあり、ちょっとした応接セットのようなソファとテーブルが備えてありました。
7号車には通常の新幹線のような座席があり、全部で50席あるようです。一般的には添乗室と言われている車両です。車内には大型モニターがあり、前方監視カメラの映像を映すことも可能とのことです。なお、7号車の先端にも、1号車と同じく前方監視カメラがあります。
車内見学は時間にして5分程度だったと思いますが、ドクターイエローの7つの全車両を見学出来て、家族全員大満足でした。こんな機会はこの先もう無いだろうし、息子に一生の思い出を作ってあげられて感無量です。
N700同士の連結や保守用車を見学
ドクターイエローを見学後は、その他の新幹線車両や普段は見られない保守用の車両を見学しました。
こちらは「新幹線を下から眺めよう」のコーナー。こんなアングルで新幹線の車両を見る機会はないので、貴重です。
台車の機能と役割を説明するコーナーもありました。間近で見る台車は重厚なメカニカル感があります。
連結していない状態の新幹線を見るのは初めてだったので、息子も喜んでいました。
続いては、N700の先頭車両同士の連結の様子です。スタッフさん曰く、一般には初公開とのことです。
確かに、新幹線同士の連結といえばJR東日本の「こまち」と「はやぶさ」が有名ですが、東海道新幹線の車両では見たことがなかったです。実際の旅客輸送でも、このように連結されることは無いと思います。
その後は、保守用の車両をいくつか見学しました。マルチプルタイタンパーやクレーンワゴン、入換動車などがあり、それぞれの車両のそばに整備員さんが待機して、各車両の役割について丁寧に解説していました。
浜松工場を出発
約2時間の見学は、あっという間に終了です。名残惜しいですが、元の新幹線に乗車して正午頃に浜松工場を後にしました。行きの時と同じく、JRの職員さんが笑顔で手を振って見送ってくれました。楽しい思い出をありがとうございます。
出発後間もなく、車内では昼食として「東海道新幹線弁当」の駅弁が振舞われました。初めて食べましたが、味噌カツや深川めしなどが入っていて、なかなか美味しかったです。
私たちを乗せた新幹線は、予定どおり14時15分ごろに品川駅に到着しました。ここでツアーは終了です。
全体の感想
「浜松工場へGO」の全体的な感想としては、参加料金は一人25,000円以上と高めなものの、ドクターイエローを間近で好きなだけ見学できて写真も(外側から)撮り放題、さらに車内も見学できるというオンリーワンの経験ができるので、ぜひ参加をおすすめします。
とはいえ、家族全員で参加するとかなりの金額になるので、お子さんとパパ・ママどちらかだけで参加するというのもありだと思います。私たちが参加した時も、お子さん一人とパパだけという参加者が結構いました。
見学ツアー以外でドクターイエローを見るには?
ここまで「浜松工場へGO」の参加レビューをお伝えしてきましたが、もちろんドクターイエローは、特別な見学ツアー以外でも見ることができます。
走行中のドクターイエローを見る
冒頭でお伝えしたとおり、2編成あるドクターイエローのうち、JR東海の車両は2025年1月まで、JR西日本の車両は2027年のある時点までは運行が継続される予定です。つまり、走行中のドクターイエローを見るチャンスはまだまだあります。
ドクターイエローの運行予想日は下記のようなサイトでチェックできますが、JRの公式発表ではないので、予想日に100%運行される保証はありません。
以下、私たちがおすすめする神奈川と東京のドクターイエロー見学スポットをご紹介します。
二俣川二丁目公園
神奈川にお住まいでしたら、こちらのスポットが一番おすすめです。
ごく普通の公園ですが、東海道新幹線のトンネル出口に隣接しており、新幹線が猛スピードで駆け抜ける姿を間近で見ることができます。また、トンネルのすぐ脇なので、新幹線が近づいてくると「ゴゴゴゴゴ…」と地鳴りのような音が近づいてくるのも迫力満点です。
うちの息子は耳を押さえながらドクターイエローの通過を眺めていました。
ここの良いところは、公園なのでドクターイエローを待っている間も普通に遊具で遊べるという点です。なお、相鉄線の二俣川駅から徒歩10分未満の距離なので、電車で訪れることをおすすめしますが、車で行く場合は住宅街なので路上駐車は絶対に止めましょう。近くのスーパーなどにコインパーキングが数カ所ありますので、駐車場を利用しましょう。
大井車両基地
ドクターイエローの運行日でなくても、「とりあえず姿の一部でも見たい」という方には大井車両基地がおすすめです。正確には、大井車両基地を大井中央陸橋から眺めるという形です。
東京モノレールの大井競馬場駅から徒歩15~20分程度の距離です。車で行く場合は、地図アプリで検索すれば周囲のコインパーキングがいくつか出てきます。私たちが訪れた時は、橋の東側の「みなとが丘ふ頭公園」の駐車場に停めました。
陸橋の中心部分は高いフェンスが設置されていて、下の線路や電車が見にくいのですが、陸橋の端にはフェンスが途切れている部分があるので、そこからは比較的見やすいです。下記の写真は、ドクターイエローが車庫から顔を覗かせるている様子です。
ドクターイエロー以外にも、ここではN700系新幹線や貨物列車がたくさん見られるので、電車好きのお子さんにとっては満足できるスポットだと思います。
東京駅
ドクターイエローの運行予想日に合わせて、始発/終点駅である東京駅でドクターイエローを見るという方法もあります。かなり混雑が予想されますが、首都圏にお住いの方であれば、一番アクセスしやすい見学スポットだと思います。
また、東京駅ではドクターイエロー以外にも色々な新幹線や電車を見ることが出来るので、電車好きの子供には夢のような空間です。子供たちに大人気のE5系はやぶさやE6系こまち、E7系かがやきなどが見放題です。大人150円の入場券を購入すれば2時間まで見学できます(幼児は無料)。
昔のドクターイエローを見る
名古屋のリニア・鉄道館では、懐かしの0系新幹線をベースにした昔の922系ドクターイエロー(T3編成)が展示されており、間近で見ることができます。わが家も2回訪れたことがありますが、このドクターイエローは遠くから見ると可愛らしいものの、目の前では結構迫力があります。
なお、2024年の夏には922系ドクターイエローの運転台に乗れるというイベントも開催されましたし、他にも定期的にドクターイエロー関連のイベントが行わているので、公式HPをこまめにチェックしてください。
リニア・鉄道館では、他にも超電導リニアに関する詳しい展示や、昔の様々な新幹線や電車の車両が展示されており、鉄道好きのお子さんであれば丸一日いても飽きないほど充実した施設です。
ちなみにうちの息子はリニア・鉄道館を訪れる度に、ランチにドクターイエローのお弁当を食べています。
リニア・鉄道館は東京からでも新幹線を利用して日帰りが可能ですので、ぜひ訪問してはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、私たちが親子3人で「浜松工場へGO」に参加し、ドクターイエローを車内外から見学した時の様子や、通常では見られないレアな新幹線関連設備などの情報をお伝えしました。また、見学ツアー以外でもドクターイエローを見る方法として、神奈川と東京のおすすめ見学スポットや、リニア・鉄道館についてもご紹介しました。
ドクターイエローが将来的に引退してしまうのは残念ですが、今からでも実物を見るチャンスはありますので、紹介した内容を参考にして頂ければと思います。
うちの息子は、ドクターイエローで全身コーディネイト可能なほど関連グッズをコンプリートしています。
ドクターイエローの絵本もずっとお気に入りです。
新幹線好きのお子さんは、記念日にトレインビューのホテルでお祝いしてあげてはいかがでしょうか。当ブログでは、大迫力のトレインビューで有名な「フォーシーズンズ丸の内ホテル」の宿泊記もありますので、ぜひご覧ください。