590年の歴史があり、ドイツ最古とも言われているドレスデンのクリスマスマーケットを家族で訪れたので、幻想的な装飾で彩られた会場の様子などをお伝えします。
また、初めて訪れる方のために、ドレスデン中心部に9カ所あるクリスマスマーケット会場をGoogle Mapでまとめたので、リストを共有します。
さらに、クリスマスマーケットを楽しむために気を付けたいこと4つについても紹介します。
同じザクセン州にあるライプツィヒのクリスマスマーケットは、こちらの記事で紹介しています。
2024年の会場の全体像
ドレスデンと言えば、ドイツで最も古いクリスマスマーケットの一つ(諸説あり)があることで知られていますが、最古級の会場は旧市街のAltmarktにあるStriezelmarkt(シュトリーツェルマルクト)で、実は他にもたくさんの会場があります。
ドレスデン市観光局のHPに記載されている主な会場だけでも9カ所もあり、その多くはツヴィンガー宮殿など観光名所の周辺に点在しています。各会場は隣接しており、ドレスデン中央駅(Dresden Hauphtbahnhof)からも徒歩圏です。
主なクリスマスマーケット9カ所の地図と、それぞれの開催期間は以下のとおりです。クリスマスを過ぎても年明け5日頃まで開催している会場もあります。
これら9カ所の会場はGoogle Mapの行きたい場所リストとしてまとめましたので、以下のリンクで共有します。現地を訪問する際にご活用ください。2025年版のリストは、開催時期が近くなったら更新します。
2024年版 ドレスデン・クリスマスマーケットの会場地図リスト(Google Mapが開きます)
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約600年の歴史を持つシュトリーツェルマルクト
アクセス
ドレスデンのクリスマスマーケットで最も有名で、1434年に始まったとされているStriezelmarkt(シュトリーツェルマルクト)は、旧市街のAltmarktで開催されています。ドレスデン中央駅から徒歩約15分です。ドレスデンは街並みが美しいので、駅から歩いて行くのがおすすめです。
会場はトラム(路面電車)のAltmarkt駅の目の前ですが、トラムで行く場合は中央駅から3番または7番に乗り、3つ目のPrager Straßeで降りてから徒歩約3分です。
幻想的な会場の様子
会場の入口はこんな雰囲気です。590回目の開催を意味する「590」の文字が一番上で輝いていました。
私たちが訪れたのは12月14日土曜日の午後3時40分頃ですが、すでに薄暗いです。私たちは普段ドイツ西部のデュッセルドルフに住んでいますが、同じドイツでもドレスデンは東の端(チェコに近い)、デュッセルドルフは西の端(オランダやベルギーに近い)なので、日没の時間が結構違います。ドレスデンの方が約30分早く日が暮れます。
入口近くには、写真を撮るためのミニ歩道橋が設けられていました。大混雑でしたが、歩道橋に上がると会場全体が見渡せます。
大きなクリスマスツリーと、「ヘルンフートの星」と呼ばれる星形の装飾がきれいです。普段訪れているデュッセルドルフ周辺のクリスマスマーケットよりも全体的に装飾が豪華ですが、光の色が落ち着いたオレンジで統一されているので、派手というよりも柔らかく、暖かい印象があります。
シュトリーツェルマルクトの名物、世界最大のクリスマスピラミッドもありました。14.6mの高さがあり、会場のどこからでも見ることができます。
各階層には色んなモチーフの人形とキャンドルが飾られており、頂上に付いている羽根はキャンドルの熱でゆっくり回転しています。
かわいい観覧車もありました。他の都市のクリスマスマーケットの観覧車に比べて小ぶりなサイズですが、箱ブランコのようなむき出しの座席が印象的です。
観覧車乗り場には人形劇風の窓が設けられたりしていて、細かい所まで凝っています。
屋台はかわいい手工芸品が充実
シュトリーツェルマルクトには、毎年200以上の様々な屋台が出店しています。早速散策してみましょう。
私たちが普段訪れているデュッセルドルフ周辺のクリスマスマーケットと比べて、いかにもドイツらしくてかわいいハンドメイド工芸品を売っている店が多いという印象です。
特にキャンドルライトは本当にきれいです。
私たちも一個購入しました。約15€でした。
ザクセン地方名物の木製の人形もたくさんあります。
くりみ割り人形も様々なサイズとデザインが用意されています。
こういう細かい職人技を感じさせる人形たちも、ドイツらしいなと思います。
細かいディテールにこだわりまくっていますね。
ひととおり会場を散策した後で、体を温めるためにGlühwein(ホットワイン)と子ども用にKakao(ホットココア)を注文しました。週末ということもあり大混雑で、どの店も長蛇の列です。ドリンクの値段はどれも一杯5€が相場で、他の都市のクリスマスマーケットよりも高めだと思います(デュッセルドルフ周辺は3.5~4€が相場)。
グラスはかなり凝ったデザインです。ちなみに2024年版のグラスは緑色でしたが、妻がピンク色のグラスが欲しいということで、店の人にリクエストしてピンクにしてもらいました。
ちなみにピンクのグラスの底には「2020」と「2023」と書いてあったので、2020/23年のクリスマスマーケットで使われたもののようですが、あちこちの店で見かけたので、過去の年度のグラスも普通に使っているのだと思います。妻としては、年度に関わらずお気に入りのピンクグラスをゲットできて満足していました。
食べ物関係では、定番のソーセージやフラムクーヘンに加え、伝統的なクリスマスお菓子のシュトーレンを売っている店が多かったです。シュトーレンはドイツ全土で食べられていますが、ドレスデンのものが特に有名です。
ほかにも会場中央に設けられたステージではちょっとしたショーが行われたり
メリーゴーランドもあったりして、子供も楽しめます。
その他のクリスマスマーケット
中世のマルクト
ドレスデンのクリスマスマーケットは、上で紹介したシュトリーツェルマルクトが最も有名ですが、すぐ近くにも複数の魅力的な会場があります。
こちらの中世のマルクト(Stallhof Advent Festival)はレジテンツ宮殿のすぐ近くにあり、中世をテーマに当時の衣装や道具を身に着けたスタッフが会場を運営しています。
入場料が必要(大人5€、子ども3€)ですが、他のクリスマスマーケットとは一線を画したユニークな会場です(私たちは今回は時間の都合上パスしましたが)。
ノイマルクトのクリスマスマーケット
中世のマルクトの目と鼻の先ですが、フラウエン教会(Frauenkirche)の近くにあるノイマルクト(Neumarkt)でも、大きなクリスマスマーケットが開催されています。シュトリーツェルマルクトからも徒歩5分以内です。
こちらの会場でもかわいい手工芸品の店が充実していて、シュトリーツェルマルクトほど混雑していないので、ゆっくりとクリスマスマーケットを楽しみたい方におすすめです。
クリスマスマーケットで気を付けたいこと4つ
ドレスデンのクリスマスマーケットを楽しむために、気を付けたいことを4点紹介します。
防寒は万全に
その時の天候にもよりますが、基本的にクリスマスマーケットは極寒の中で行われています。日が暮れてから会場に繰り出す方が多いと思いますが、日没と共に気温も下がって、12月であれば氷点下になることも多いです。また、風が強かったり小雪が舞ったりして、天気アプリ上の体感気温はマイナス5度~10度と表示されたりします。
ダウンジャケット等の暖かいアウターは当然として、マフラー、手袋、帽子、耳あて、分厚い靴下、カイロなど、できる限りの防寒対策をしていくことをおすすめします。
スリに注意
ドイツはヨーロッパの中では治安が良い方ですが、クリスマスマーケットには多くの国からたくさんの観光客が詰めかけるため、スリには要注意です。会場では警察官も常時パトロールしていますが、それでも毎年スリの被害が出ているようです。
貴重品は外から見えない形で常に身に着けて、カメラやスマホもテーブルの上などに置きっぱなしにしないようにしましょう。
食べ物の串に要注意
クリスマスマーケットの会場では、串に刺した食べ物が売られていることが多く(下記写真のポテトなど)、食べ終わった後の串を上に向けたまま歩いている人が結構います。しかも、すれ違うのも困難なほど超混雑した会場で、まるで武器のように串を上に向けて堂々と闊歩している人をたくさん見てきました。
日本だと下に向けて歩く人が多いですが、ドイツをはじめ海外では、そういう配慮をする人はほとんどいません。自分の身は自分で守るしかないので、特にお子さんと一緒にいる方は凶器のような串に充分注意してください。
ちなみに上の写真はテーブルで食べている時で、歩いている訳ではありません。
無理に「はしご」しなくてOK
日本から旅行で訪れる人に多いかもしれませんが、旅行系サイト・ブログなどで「ここだけは見ておきたい!」とか「おすすめ〇箇所を徹底攻略!」とか書かれているのを見て、いくつものクリスマスマーケット会場を回らなきゃいけないような気持ちになっているかもしれません。
でも、はっきり言ってクリスマスマーケットの会場はどこも似たりよったりなので、何カ所も「はしご」する必要はないと個人的に思います。
こういうことを言うと熱烈なクリスマスマーケットファンから「お前が鈍感で気付かないだけで、会場ごとに個性があるんだ!」とか怒られそうですが、正直言ってどの会場でも飲み物や食べ物はほとんど同じだし、工芸品も似たような物が売っています。
会場ごとの主な差別化要因は装飾だと思いますが、ドレスデンであればどの会場も雰囲気があってきれいなので、何カ所も無理して巡っても、混雑ばかりで疲れるだけです。それに寒空の下で屋外で何時間も過ごしていると、寒さで体調を崩す恐れもあります。トイレも少ないし、トイレ待ちで行列していることもあります。
個人的には、1~2カ所の会場を巡って雰囲気を味わえば充分だと思います。私たちもそうでしたが、多くの方は有名なシュトリーツェルマルクトには行ってみたいと思うので、シュトリーツェルマルクトにプラスして、近くにあるノイマルクトなどもう一カ所をちらっと見れば充分な気がします。
なお、この記事の冒頭で9カ所の会場リストを共有しましたが、それは全部を訪れるためではなく、ご自身の宿泊先の近くで便利な会場を探してください、という趣旨です。
まとめ
この記事では、約600年の歴史を持つドレスデンのクリスマスマーケットの幻想的な様子をお伝えすると共に、市内9カ所の会場リストを共有しました。また、クリスマスマーケットを楽しむために気を付けたいことを4つの観点から紹介しました。
私たちはライプツィヒのクリスマスマーケットも訪れましたが、ドレスデンに負けず劣らず素晴らしかったです。こちらの記事で詳しく紹介しています。
当ブログには、ドイツ旅行・観光スポットに関する記事が多数あります。地域ごとにまとめてありますので、下記リンクからご覧ください。
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