わが家はドイツのケルンにある「チョコレート博物館」に子連れで2回訪れたことがあります。とても魅力的な施設なので、おすすめポイントをご紹介したいと思います。
博物館では世界的に有名な老舗チョコメーカー「Lindt(リンツ)」が実際の製造ラインを展示しており、出来立てチョコの試食が出来るほか、チョコレートの歴史が親子で学べてカフェやショップも充実しており、定番観光地のケルン大聖堂からも徒歩圏です。
ケルン大聖堂の訪問記とおすすめ情報については以下の記事をご覧ください。

チョコレート博物館について
基本情報
ケルン・チョコレート博物館(Schokoladenmuseum Köln)は、ケルンの中心地にほど近いライン川沿いにあるチョコレートの歴史、文化、製造技術などを総合的に展示・解説する博物館です。
博物館は、ケルン出身で世界的なチョコメーカー「Stollwerck」のオーナーでもあったHans Imhoff氏が1993年に私財を投じて建設しました。2006年以降はスイスのチョコメーカー「リンツ」とパートナーシップを組み、チョコの製造行程に関する展示は同社が担当しています。
チョコレートの総合的な博物館というのは世界的にも珍しく、2023年には65万人が来場したということです。
ケルン・チョコレート博物館の基本情報は次のとおりです。
- 名称:ケルン・チョコレート博物館(Schokoladenmuseum Köln)
- 住所:Am Schokoladenmuseum 1a, 50678 Köln
- 公式HP:https://www.schokoladenmuseum.de/
- 営業時間:10:00~18:00(12月24、25日以外は年中無休*)
- *2024年11月4日~18日、2025年1月13日~31日のみ毎週月曜日定休
- 入場料(2024年9月現在):
- 平日:大人一人15.5€、6歳~18歳の子供一人9€、5歳以下無料
- 土日祝日:大人一人17€、6歳~18歳の子供一人10.5€、5歳以下無料
入場料が若干高めですが、政府の補助金一切なしの100%民間運営なので仕方ないですね。その分展示内容は充実しており、出来立てチョコの試食やリンツチョコのおみやげも貰えます。
行き方
公共交通機関で行く場合
電車でケルンを訪れる場合、ケルン中央駅(Köln Hbf)からチョコレート博物館までは徒歩で20分ほどです。駅を出てすぐにライン川沿いに進み、川沿いに南に下っていけば着くので迷わないと思います。
ケルン大聖堂を見学してからチョコレート博物館を訪れる場合も、基本的に同じルートで徒歩約20分です。
ライン川沿いの散歩は気持ちいいので徒歩がおすすめですが、歩くのがつらいという方は、ケルン中央駅の大聖堂とは反対側の出口にある「Breslauer Platz」のバス停から路線バス132か133に乗り、「Schokoladenmuseum」のバス停で降りてすぐです。所要時間十数分です。
車で行く場合
車でチョコレート博物館に行く場合、デュッセルドルフ中心部からは40~50分程度です。
ケルン大聖堂にも訪れる場合は、大聖堂近くの駐車場に停めるのも良いと思いますし、チョコレート博物館メインの場合は、周辺にいくつか有料駐車場があります。私たちは過去2回とも、以下の駐車場を利用しました。
休日は一時間5€と高めですが、博物館のすぐそばで便利ですし、駐車スペースも広めです。
入口とチケット売場
チョコレート博物館はライン川の中州のようになっている場所にあり、以下のような外観です。

リンツのテディベアもお出迎えしてくれます。

チケット売場は入口を入って左側にあります。なお、チケットは事前にオンラインでも購入可能です。チョコレート博物館は土日は結構混雑してチケット購入に時間がかかることもありますが、オンラインで購入すれば並ぶ必要がありません。
Online Tickets – Schokoladenmuseum
入口から見て右側はクロークになっており、荷物や上着を預けておけます。バッグ/上着は一点1.5€、複数人で荷物をまとめて入れられる”family box”は5€です。

カカオの収穫、加工、貿易などの展示
展示コーナーの入口でチケットを見せると、このようにリンツの「リンドール」チョコを一人一個プレゼントしてくれます。早速テンションが上がりますね。

ちなみにチョコレート博物館は延べ面積4,000㎡以上の展示スペースがあり、日本式の数え方で1階から4階までの展示エリアに約2,500点の展示物があります。
1階の最初のコーナーでは、チョコレートの原料となるカカオの収穫から加工、そしてチョコレート消費国への輸送などについての展示があります。
最初に出迎えてくれるのは、実物大のカカオの木と実(の模型)です。

収穫したカカオの実からどのように豆を取り出し、発酵・乾燥させるかについて、使用する器具と共に詳しく解説されています。子どもにとっても勉強になります。

発酵・乾燥させたカカオ豆の品質チェックプロセスを疑似体験できるゲームもありました。検査不合格の豆を見つけるゲームですが、合格品との差が小さすぎて全然分かりませんw

こちらはカカオがどの国で栽培されているかを示した地図です。主に中南米やアフリカ、東南アジアで栽培されており、そこから先進国に輸出されて大量に消費されるという構図です。

ちなみにドイツの一人当たりチョコレート消費量は世界2位(トップはスイス)で、だいたい毎年一人平均8~9kgを消費しているというから驚きです。ちなみに日本は1kg台前半なので、比較になりません。
チョコレートの原料となる素材を視覚的に展示しているコーナーもあります。基本的にカカオマス、カカオリカー、ココアパウダー、ミルクパウダー、砂糖で出来ています。

こちらはチョコの種類ごとにカカオの割合を示したものです。左の高級なものはカカオ70%で、一般的なチョコは30%前後です。

チョコが出来るまでをミニ製造ラインで展示
1階をさらに奥に進むと、カカオ豆からどうやってチョコレートが出来るかを実際の製造ラインで見て学べるコーナーがあります。全て本物の機械と原材料が使われています。

最初の工程はカカオ豆の焙煎で、150℃の温度で10~30分間加熱します。

次に豆を砕き、皮を取り除いて「カカオニブ」と呼ばれる中心部分だけを残します。

そしてグラインダーでカカオニブをすりつぶします。脂肪分が55%もあるので、すりつぶすと「カカオマス」と呼ばれるドロドロの液状になります。

続いて、カカオマスに砂糖、ココアバター、牛乳を混ぜます。少しチョコっぽい雰囲気が出てきました。

ローラーでさらに細かくなめらかにした後は、原料をゆっくり練っていきます。この工程は、チョコらしい香りを出すのに重要だということです。

練り上げた原料の温度を調節した後は型に流し込み、冷却します。

冷却後、型を振動させてチョコをはがせば出来上がりです。

そしてチョコレート博物館が素敵なのは、このミニ製造ラインで作った出来立てほやほやのチョコレートを、その場で試食できるということです。
このように緑のボタンを押すと、ロボットアームが製造ラインから出てきたチョコを一つ掴んで受け皿に落としてくれます。

出来立てのチョコは滑らかで、口に入れるとカカオの香りがふわっと広がります。お子さんは大喜びだと思います。

製造ラインの先には、カカオの木のオブジェ(高さ3m)とチョコの噴水があります。

ここではスタッフがウエハースに噴水のチョコを塗り、来場者に配ってくれます。

こちらもチョコの香りが立っていて、とてもおいしいです。
自分だけのチョコオーダーや体験教室も
2階に上がると、「Chocolate Studios」というコーナーがあります。

ここではチョコレートのデコレーションや、チョコを使ったお菓子作りの体験教室が開かれています(要予約)。

また、チョコ職人が色々なチョコ細工を作っているコーナーもあります。この時はチョコでサッカーボールやパンダを作っており、それらは1階のショップで販売されていました。

そしてこのエリアの目玉は、自分だけのオリジナルのリンツチョコを注文できることです。このように案内(英語表記あり)と注文用紙が置いてあります。

オリジナルチョコは1枚6.49€(2024年9月時点)で、約45分で完成します。私たちは時間の都合で利用しませんでしたが、注文の流れについて簡単に解説します。
まずはベースとなるチョコを選びます。ミルクチョコ、ホワイトチョコ、ダークチョコの3種類から一つ選択できます。

次に好みのトッピングを4種類まで選びます。複数のドライフルーツ、ナッツやチョコチップなど、24種類のトッピングの中から選べます。
選んだ内容を注文用紙に記入し、下記写真のカウンターでスタッフに渡してお金を払うと、注文した内容でチョコを作ってくれます。

自分だけのオリジナルチョコが作られていく様子をガラス越しに眺めることもできます。ワクワクですね。

チョコレートの歴史・文化の展示
3階に進むと、チョコレートの歴史やどのように人々の生活に溶け込んでいったかについての展示があります。
カカオの栽培は紀元前2,000年頃から中米地域で始まり、それをスペイン人が持ち帰ってヨーロッパに広まったと言われています。チョコレートはヨーロッパでは最初は薬として扱われていたようですが、砂糖を多く配合するようになってから贅沢な嗜好品となり、17世紀にはヨーロッパの貴族たちの間で一種のステータスシンボルになっていたとのことです。

当時はチョコレートを安定して固める技術が無かったため、チョコは飲み物として貴族たちに好まれていました。そして自分たちの財力を誇示するために、金や銀で装飾された豪華なポットやカップを使ってチョコを飲んでいたということです。

豪華絢爛な「チョコポット」がたくさん展示してあります。

ヨーロッパの一般人がチョコレートを口に出来るようになったのは19世紀以降で、アフリカなどカカオの原産地を多数植民地化したことで、低コストでカカオの収穫、加工と輸送が可能になったためです。
子ども大喜びのオブジェがいっぱい
最後の展示フロアである4階に上がると、「Chocolate is a feeling」というポップな雰囲気のコーナーがあります。ちなみにここは2024年3月に訪れた時は改装中で、9月に再訪した時には完成していたので、かなり新しいコーナーだと思いいます。

ここでは子どもが喜びそうな、チョコにまつわる色々なオブジェがあります。例えばこのような牛や…

チョコが入ったカップをひっくり返したようなオブジェがあります。

キンダーサプライズのチョコエッグもあり、子供たちに大人気でした。

「しあわせ時間のシンボル」といわれるリンツのゴールドバニーもいました。結構大きいです。

以上でチョコレート博物館の見学は終了です。エレベーターに乗って1階に下りると、出口でリンツチョコのおみやげをもらえます。一人4個もくれるのが太っ腹ですね。

カフェではチョコフォンデュも楽しめる
博物館の建物の1階奥には、おしゃれで開放的な雰囲気のカフェ「Chocolat Grand Café」があります。

こちらのカフェでは様々なチョコドリンクやチョコを使ったケーキ、ワッフル、クレープ、アイスなどを楽しめます。そして何と言ってもおすすめは「チョコフォンデュ」です。

ディップ用にリンツのチョコが2種類と、イチゴ、メロン、バナナ、パイナップル、マシュマロ、プレッツェル、ワッフルロールとクレープロールが付いてきます。値段は一人11.9€です。
とてもおいしくて見た目も豪華、子どもも大喜びなので、チョコレート博物館に来たらぜひ試してみてはいかがでしょうか。
ショップではリンツ商品が超充実
博物館1階チケット売場の脇には、様々なリンツの商品を集めたショップもあります。

いろんな種類の定番板チョコに加え…

ガラスケースの中にも数え切れないほどの種類のチョコたちが待っています。

また、色とりどりのリンドールなどを100g詰め放題で購入できます(一袋4.99€)。

瓶ビールの形をしたチョコや…

「チョコスパークリングワイン」や「チョコビール」なる謎の製品もあります。さすがに怖くて買いませんでしたが、カカオ配合なんでしょうか?

このショップでは定番品から「ネタだろ?」というような商品まで本当に幅広く揃っており、おみやげの選択肢には困らないと思います。
ショップとカフェは博物館に入場しなくても利用できるので、おみやげ探しのためだけに訪れるのも良いと思います。
まとめ
この記事では、ドイツのケルンにあるチョコレート博物館の魅力やおすすめポイントなどについてご紹介しました。
チョコレート博物館ではチョコの製造工程を目の前で見学したうえで出来立てチョコの試食もでき、チョコの歴史や文化についても親子で学べるなど魅力が盛りだくさんです。また、入場と出場の際にチョコのおみやげも貰えます。
ケルン大聖堂からも歩いて行ける距離なので、ケルン観光の際にぜひ立ち寄ってはいかがでしょうか。
私たちはケルン大聖堂とチョコレート博物館を同日に訪問しました。ケルン大聖堂の訪問記はこちらをご覧ください。

当ブログには、ドイツ旅行・観光スポットに関する記事が多数あります。地域ごとにまとめてありますので、下記リンクからご覧ください。
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