今回はハマド国際空港のアル・ムルジャン・新ビジネスラウンジ ザ・ガーデン のレビューと新旧ラウンジ比較をお届けします。
前回の記事では、カタール航空ビジネスクラスで利用できるハマド国際空港の2種類のラウンジのうち、10年前からあるアル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)をレビューしました。
今回は、2023年4月にオープンしたアル・ムルジャン・ビジネスラウンジ (ガーデン)のレビューに加えて、両ラウンジを比較してみます。
前回の記事はこちらです。
おさらい
ラウンジの表記
今回の記事でも、2つのラウンジについて以下のように表記します。ただし必要な場合は正式名称を用います。
- アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ ザ・ガーデン(今回紹介する方)=アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)
- アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(前回紹介した方)=アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)
また、単に(ガーデン)、(南)と表記する場合もあります。
ラウンジの位置
出発エリア全体の中で、アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)は下記のCエリアにあります。
利用資格
アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)の利用資格(2024年3月時点)は、アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)と同じです。詳しくはこちらをご参照ください。
アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ ザ・ガーデンの概要
行き方
アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)はCエリアと呼ばれる場所にあり、空港のメインである中央やAエリアからはかなり離れています。歩いていく場合は15分程度かかりますのでご注意ください。
ここでは、便利なシャトルトレインを使って移動する方法をご紹介します。
日本から到着した場合、保安検査場の先のエスカレーターを降りて少し進むと、ハマド国際空港の名物、巨大な黄色いクマが目に入ってきます。
クマを背に、”CDE”の表示がある方向に進みます。
しばらく行くと、このようなエスカレーターがあるので乗ってください(エレベーターもあります)。
エスカレーターを上がると、シャトルトレインのホームに到着します。空いている車両に乗りましょう。数分おきに出発しています。
シャトルトレインは、このような感じで中央・ABエリアとCエリアをつなぐコンコースを縦断していきます。ちなみにトレインを使わない場合は、下の通路を延々と10分以上かけて歩くことになります(動く歩道はあります)。
2 – 3分でトレインがCエリアに到着です。案内に従ってエスカレーターを降ります。
すると視界が開けて、謎の空中オブジェが登場します。
下には巨大な樹木のオブジェがあり、人々がくつろいでいます。
オブジェを見ながら左側に進んでください。”Al Mourjan Lounge Garden”の案内表示が見えてくるので、そのまま直進です。
しばらく行くと、ルイヴィトンのロゴと共に、”Al Mourjan Business Lounge – The Garden”と書かれたエレベーターが見えてきます。このエレベーターが入口です。
エレベーター周辺に係員がいますので、ボーディングパスを見せてエレベーターに乗せてもらいます。
エレベーターが開くと、ようやくラウンジとご対面です。
基本情報
こちらの公式資料によると、アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)は総面積7,390平方メートルで、707名の利用者を収容できるとのことです。主な施設は次のとおりです。
- レストラン
- ビジネスセンター
- ロッカールーム
- シャワールーム
- トイレ
- 仮眠室
- 家族用個室
- キッズエリア
- ゲームルーム
- スパ
- ジム
- ルイヴィトンラウンジ
上記のうち、太字のものはアル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)にも類似施設はあるが(ガーデン)の方が充実しているもの、赤字のものは(ガーデン)にしかないものです。
アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)は、全体がUの字の構造となっています。Uの底の部分が入口で、そこから見て右側のウイングにレストラン、家族用個室、キッズエリア、ゲームルーム等があり、左側ウイングにシャワールーム等があります。座席は左側に多く配置されています。ロッカールームは左右両方にありました。
なお、スパとジムは今回利用しなかったので詳細は分かりませんが、有料とのことです。
また、アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)には「ラウンジ内ラウンジ」ともいえる「ルイヴィトンラウンジ」なる施設もあります。入口を背にしてすぐ正面にあるのですが、こちらも有料とのことで、今回は利用しませんでした。
ちょっと覗いたところ、利用者は誰もいないようでした。まぁ元々のラウンジ自体が十分豪華なので、追加料金を払ってまで…という気持ちもあります。
ロッカールーム
ロッカーは、左右ウイングのそれぞれ付け根あたりにあります。このようにLuggage Roomの案内があるので、すぐに分かると思います。
近くに係員がいるはずなので、ボーディングパスを見せてロッカーを使いたい旨を伝えると、空いているロッカーを指定してくれます。
ロッカー番号が書いてあるカードキーを渡してくれるので、荷物を中に入れて扉にカードをかざすと施錠されます。開けるときは、同様にカードをかざすと解錠されます。スマートでいいですね。
帰る時は、ロッカーを空にしてカードを係員に返却します。
レストラン
レストランは、基本的にアル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)と大差ないですが、席数は(ガーデン)の方が若干少ない印象です。
よっぽど混雑していない限り、すぐに係員が空いている席に案内してくれると思います。食事は自分で好きなものを取るブッフェ形式のものと、オーダーするものがあります。メニューは食事、飲み物共にアル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)と同じです。
こちらにも寿司がありました(すぐに帰国するので食べませんでしたが)。
家族・子供向け施設
アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)では、レストランエリアの少し手前右側にファミリーや子供向けの施設がまとまっています。
こちらはゲームルーム。アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)と同じく閑散としています。
こちらはキッズスペース。相変わらず誰もいません。
こちらはファミリールームです。
全て使用中のため中は見られませんでしたが、海外ブログの情報によると、家族4人ほどが快適に過ごせる広さとソファ・カウチなどが用意されているようです。
また、(南)と違って完全に個室になっているのが魅力的だと思いました。子連れの旅は何かと気を使うことが多いので、このようにプライベートを確保できる空間があるのはありがたいですよね。
今回は私一人でラウンジを使用したため、ファミリールームを利用する機会がなかったのですが、次回家族と一緒に来ることがあれば、ぜひ利用したいです。
なお、外から見た限りではファミリールームは4部屋しかありませんでした。一方で、(南)の方は半個室とはいえ最低8家族分のスペースがありましたので、利用のし易さでは(南)に軍配が上がるかもしれません。
シャワールーム
アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)のシャワールームは、左ウイングの中ほどにあります。手前に女性用、奥に男性用があります。入口に受付ブースがあり、係員がいるのでボーディングパスを見せてチェックインします。
今回は空きがあり、すぐに利用することができました。部屋番号が書かれたカードを渡されます。
中に入ると別の係員がいて、部屋まで案内してくれます。シャワールームはこんな感じ。
とても清潔で機能的です。中サイズのタオルとバスタオルに加え、ちゃんとバスマットまであるのがありがたいですね。
入口横に荷物を置いておくスペースがあります。
シャワーブースは大人一人では持て余すほどのスペースがあります。シャワーはレインシャワーとハンドシャワーの切り替え式。湯量・温度ともにばっちりです。
こちらは洗面台。ハンドタオルも用意されています。アメニティはDiptyque(ディプティック)で統一されているようです。そういえば、機内でもらえるアメニティもDiptyqueでしたね。
ちゃんとドライヤーもあります。電動シェーバーが充電できるように、コンセントもあります。
なお、こちらのシャワールームにはトイレはありませんのでご注意ください。(南)ラウンジのシャワールームには、個室内にトイレがあります。
仮眠室
概要
アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)では、左ウイングの奥の方に仮眠室があります。受付のスタッフにボーディングパスを提示し、空きがある場合は部屋をアサインしてくれます。今回私は午前1時頃から午前6時頃まで利用させてもらいました。
利用時間は5時間ほどだったので、時間制限については確認しなかったのですが、6時間が上限という情報もあります。また、2017年に(南)ラウンジの仮眠エリアを利用した際も、6時間までだったと記憶しています。この辺のルールは変更される可能性もあるので、最新情報は受付スタッフに確認してください。
受付後、スタッフが部屋までアテンドしてくれます。天井が高く、まるで高級ホテルの廊下のようです。
こちらが今回使用させて頂く一人用の部屋で、完全な個室仕様です。なお、このタイプとは別に二人用の部屋もあるようです。私の部屋番号が22だったので、少なくとも20数部屋はあるのだと思います。
広さは大体2.5m x 2.5mほどでしょうか。面積はそこそこですが、天井の高さがおそらく3m近くあり、開放感があります。部屋の中には仮眠用のソファチェアとスツール、サイドテーブルがあります。毛布はカタール航空のビジネスクラスで使用されているものと同じです。
入口横にクロークがあり、ジャケット等をかけておけます。
常温の水と炭酸水に加え、小型の冷蔵庫があります。
冷蔵庫を開けると、このように計4本の冷えた水(炭酸なし)と炭酸水が入っています。一人でこんなに飲みきれないですよねw
快適性
はっきり言って超快適の一言で、仮眠目的であれば、(南)ラウンジの仮眠エリアよりも断然こちらをおすすめします。
ソファチェアの形状はフラットではないので、神経質な方は寝にくいかもしれませんが、個人的には数時間の仮眠であれば問題ないと思いました。室温も海外にありがちな極寒冷房ということはなく、20度前後で快適でしたし、照明も暗くすることが可能です。
また、何より個室なので安心感が違いますし、外部の雑音もほとんど入ってきません。この点は(南)ラウンジの仮眠エリアとは全く違いますね。個人的には、この仮眠室のためだけにアル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)を選んでも良いのではないかと感じました。
また、本来の趣旨からは外れますが、必要であればスツールを椅子代わりにしてPC作業などを行うことも出来ます(あくまで仮眠・休憩利用が本来の利用方法です)。ただし、迷惑になる音量での会話は禁止されているので、Web会議などは絶対にやめましょう。
注意点として、(南)ラウンジの仮眠エリアとは違い、部屋の中には各フライトの搭乗時間やゲート情報を知らせるモニターは設置されていません。
特に搭乗ゲートがAやBの場合、移動に10 – 15分程度は見ておく必要がありますので、仮眠室の利用開始時点で自分の搭乗ゲートが不明の場合、時間に余裕をもって部屋をチェックアウトできるようにしておいた方が良いでしょう。
一般席
アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)には、広大な空間に様々な種類の座席が配置されており、よほどの混雑時でなければ、座席の確保に困ることはないと思います。
このラウンジの場所がメインエリアから離れているため、個人的な印象では、(南)ラウンジよりも全般的に空いているように思えます(時間帯やタイミングにもよります)。
ちなみに、アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)はラウンジ外のパブリックスペースと空間が続いている(仕切る壁がない)ので、空港全体の色々なアナウンスが聞こえてきます。個人的には大したことない点ですが、神経質な人は気になるかもしれません。もちろん、仮眠室は完全な静寂状態なので全く問題ありません。
ガーデン vs 南 新旧ラウンジ比較
前回の記事からここまで、アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)と(ガーデン)のレビューをお伝えしてきましたが、ここからはいくつかの論点に分けて両者を比較したいと思います。
立地
アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)の方が保安検査場を出てすぐの場所にあり、メインのショッピングエリアに近いので利用しやすいと思います。
一方で、(ガーデン)ラウンジはメインエリアから遠く離れたCエリアにあるので、自分のフライトの搭乗ゲートがCエリア近辺でない限り、わざわざ訪れるのは大変です。
特に搭乗ゲートがAやBの場合、メインエリアから(ガーデン)まで片道10 – 15分程度をかけて往復しなければいけないので、自分にとって他のポイントで(ガーデン)に明らかなメリットが無い限り、(南)ラウンジで十分かもしれません。
設備の新しさ
これはアル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)に軍配が上がります。まだオープンして約1年なので、全てが新しくてきれいです。一方で、(南)ラウンジもよくメンテナンスされているので、古さを感じるということは殆どありません。
ラグジュアリー感
完全に主観的な印象ですが、アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)の方が、よりラグジュアリー感があると思います。理由はラウンジの中央に横たわる巨大な池で、水面の明かりが天井にも反射していて、別格の優雅さ・豪華さを演出しています。
(ガーデン)ラウンジも十分豪華ですが、(南)に比べると、少し実務的でクールな印象を受けるかもしれません。この辺りは完全に好みです。
混雑度
利用するタイミングや時間帯にもよるので一概には言えないですが、私が復路で両ラウンジをはしごした時(月曜日の午前0時~6時頃)は、(南)ラウンジよりも(ガーデン)の方が空いていました。
また、(ガーデン)の受付スタッフに入口が分かりにくい旨を伝えたら、「それもあってこっちの方が空いていることが多い」ようなことを言っていました。
食事・飲み物
基本的にメニューは両ラウンジで同じです。ただし、ブッフェで出ているものは、タイミングによって少し違いがある可能性があります。
仮眠エリア
仮眠のための環境は、アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)の仮眠室が圧勝だと思います。乗り継ぎ時間が長く、まとまった時間仮眠したい場合は、(ガーデン)の方をおすすめします。
ファミリールーム
自分自身では使用していないのですが、プライベート感ではアル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(ガーデン)のファミリールームが勝っていると思います。何しろ完全個室なので。ただし個室の数は4つしかない(ように見えた)ので、すぐに埋まってしまう恐れがあります。
一方で、(南)のファミリー用ブースは8個ありましたが、どちらが空いているかは行ってみるまで分からないので、ある種の賭けだと思います。
一般席の静粛性
アル・ムルジャン・ビジネスラウンジ(南)の方が、ラウンジ外のパブリックスペースから比較的隔絶された環境にあるため、一般席エリアの静粛性について(ガーデン)よりも上だと思います。ただ、(ガーデン)の方もそんなに気にするレベルではありませんのでご心配なく。
まとめ
この記事では、カタール航空やワンワールドのビジネスクラスで利用できる、ドーハ・ハマド国際空港のアル・ムルジャン・ビジネスラウンジ (ガーデン)のレビューをお伝えしました。また、(ガーデン)ラウンジと既存の(南)ラウンジについて、いくつかの論点から比較を行いました。
まとめると、立地面では一般的に(南)ラウンジが便利なものの、仮眠室やファミリールームのプライベート感を重視する場合は(ガーデン)ラウンジがおすすめです。見た目の豪華さは(南)ラウンジの方があるものの、好みの範囲であり、どちらも満足できるものです。食事は両者で差がありません。
カタール航空やワンワールド加盟航空会社のビジネスクラスでドーハを訪れる際、利用できるラウンジが複数あるので迷うかもしれませんが、この記事がラウンジ選択の参考になれば幸いです。迷った際は、時間があれば両方をはしごするのも良いと思います(私もそうしました)。
なお、今回利用したカタール航空ビジネスクラスQsuiteの搭乗レビューは以下をご覧ください。
カタール航空は、最高レベルの設備とサービスで快適なフライトを楽しめるだけでなく、なんと燃油サーチャージが無料であるため、価格も比較的良心的です。ヨーロッパや中東、アフリカ方面の渡航において非常に魅力的な選択肢です。
公式HPでの予約が一番お得です。私もカタール航空のHPで予約しました。
現地で滞在するホテルは早めに手配した方が、お得な値段で予約できます。
\ 早めの予約がお得 /
現地では運転せずに電車やバスで移動される場合は、事前の予約がおすすめです。
\ 事前に予約であんしん /
海外渡航の際は、事前に現地SIMカードを準備しておくのがおすすめです。国内で手配した方が手間がかからないし、現地での時間節約にもなります。物理カードが不要のeSIMが便利です。
\ 海外旅行にいくなら /
\ 180以上の国と地域で使える /