ドイツ西部のモーゼル川沿いにあるワイン名産地、コッヘムのシンボルとも言える美しい古城「ライヒスブルク城」を訪れましたので、行き方や見学の仕方、見どころなどを紹介します。
コッヘムは街全体が中世のおとぎ話のような雰囲気で魅力的ですが、「地球の歩き方」では半ページしか取り扱いがなく、日本語での情報がほとんど無いので、訪問予定の方はぜひ当記事を参考にしてください。
なお、コッヘムのワイン祭り(2024年)に参加した時の以下の記事も、街の魅力や雰囲気を知るための参考になると思うので、ぜひご覧ください。
コッヘム・ライヒスブルク城について
基本情報
コッヘム・ライヒスブルク城の基本情報は次のとおりです。
- 施設名:コッヘム・ライヒスブルク城(Reichsburg Cochem)
- 住所:Schlossstraße 36, 56812 Cochem
- 公式HP:https://reichsburg-cochem.de/
- 営業時間:9:00~17:00 (3月16日~11月1日)、10:00~15:00(左記以外の期間。詳細はHPで要確認)
- 入場料:大人(18歳以上)8.5€、6歳~17歳4.5€、5歳以下無料(2024年8月現在)
- 駐車場:なし
上記のとおりドイツ語ではReichsburg Cochemと表記します。余談ですが、Reichsburgが「帝国の城」という意味なので、「ライヒスブルク城」と呼称すると「チゲ鍋」や「危険が危ない」のように同じ意味の単語が重複することになりますが、日本語では一般的に「ライヒスブルク城」と表記されるので、当記事もそれに従います。
行き方
コッヘム・ライヒスブルク城には、徒歩かシャトルバスで行くことができます。なお、地図アプリで検索すると車でも行けるような案内がでますが、経路はとても狭く、駐車場もありませんので、車でコッヘムを訪れる方は、市内中心部に駐車してから徒歩で向かうことをおすすめします。
なお、私たちは下記の川沿いの駐車場に停めてから徒歩でライヒスブルク城に向かいました。
徒歩で行く場合
鉄道のコッヘム駅からは歩いて約30分、街の中心部マルクト広場(Marktplatz)からは15分弱でライヒスブルク城に到着します。
マルクト広場を抜けてからは、急坂の細い路地を上っていきます。コッヘムはワインの街だけあり、沿道には酒屋が多いです。その場で試飲することもできます。
車一台がやっと通れるぐらいの狭い道をひたすら登っていきます。
しばらすると、左手にブドウ畑が見えてきます。
近くで見ると、結構実がなっているのが分かります。
お城が大分近づいてきました。城のふもとの斜面が全部ブドウ畑になっていて、壮観です。
この後も少し急坂が続きますが、もう少し歩けば城の入口に到着します。
バスで行く場合
コッヘム・ライヒスブルク城には、上の地図の観光案内所付近(Endertplatz)から直通バス701番が出ています。
701番のバスは、おおむね15分に一本の間隔で運行しています。
私たちはバスを利用しなかったので正確な運賃は分かりませんが、距離からして片道数ユーロだと思われます。
見学はガイドツアーのみ
コッヘム・ライヒスブルク城を見学する際は、必ずガイド付きのツアーに参加する必要があります(所要時間約40分)。城の入口を入って右手にあるショップ内で見学チケットを購入する際に、直近のツアーの時間を教えてもらえるので、基本的にそれに参加する形になります。
ツアーは基本的にドイツ語で、おおむね15分おきに開催されています。なお、英語のツアーも行われており、公式HPによると11:30、12:30、13:30、14:30、15:30、16:30の回があるようです。
なお、どちらの言語のツアーに参加する場合でも、主な展示内容を日本語でまとめた資料を貰えます。
私たちは運良く英語ツアーの回がすぐ始まるタイミングでしたが、英語ツアーまで待ち時間が結構ある場合は、日本語の資料を貰った上でドイツ語のツアーに参加するのがいいかもしれません。
なお、ツアーの料金はチケット代に含まれています。
ライヒスブルク城の見どころ紹介
城の歴史
私たちの英語ツアーは、午前11時ごろに始まりました。参加者は20人ほどだったと思います。まずはガイドの方から、ライヒスブルク城の歴史について簡単に説明がありました。
ライヒスブルク城は西暦1000年ごろにパラティーノの伯爵によって建造されたと言われています。12世紀半ば以降は、神聖ローマ帝国時代のドイツの複数の王が城を領有しましたが、1689年にフランスの軍隊によって城はコッヘムの街もろとも破壊されてしまいます。
その後ライヒスブルク城は200年近く廃墟のままでしたが、19世紀後半にベルリンの裕福なビジネスマンが破格で買い取り、少しずつ復興させました。そして1978年にはコッヘム町が城を買い取り、文化財・観光地として現在の姿に整備していったということです。
城の入口近くには以下のような年表があり、それぞれの時代に誰がライヒスブルク城を支配・所有していたかを示しています。
ダイニング~狩猟の間~騎士の間
ライヒスブルク城の敷地内に入っていきます。現在の建物はほとんどが19世紀以降に復元されたものですが、基本的には元々の城のデザインを踏襲しているということです。
いかにも「中世のお城」という雰囲気で、西洋の昔話やドラクエに出てきそうです。
城の建物に入り、最初に訪れたのはメインの食堂である「ダイニングルーム」です。
壁という壁、窓という窓、そして天井にまで細かい装飾が施されています。シャンデリアの重厚さも中世っぽいですね。ここで王族や貴族たちが豪華な食事をしていたのでしょうか。
右手奥のドアを開けると、中には何もありません。
当時は左右対称のデザインが美しいとされていたため、このようなフェイクドアをわざわざ造っていたということです。
後ろを振り返ると、写真の右手には私たちが入ってきた入口ドア、そして中央には暖炉があります。暖炉も趣がありますね。
天井をよく見ると、ブドウを描いたデザインになっています。さすがワインの名産地ですね。
続いて訪れたのは、ハンティングルーム(狩猟の間)です。
鹿やイノシシ、ワシなど様々な動物のはく製がこれでもかと飾られています。
結構不気味です。
昼間にグループで訪れたので平気でしたが、夜に一人でこの部屋に入ったらかなり怖そうです。
狩猟の間を後にし、次はライヒスブルク城で一番大きい「騎士の間」にやって来ました。
なんとも優雅な雰囲気です。
かなり年代物のグランドピアノもありました。ここで音楽家に演奏させたりしてたんでしょうか。
テラス~中庭
騎士の間を出ると巨大な甲冑があり…
その先には気持ちの良いテラスがありました。
コッヘムの街並みと、モーゼル川沿いの斜面にあるブドウ畑が良く見えます。
ちなみにこのテラスは建物から突き出す形で設置されており、下に支える柱はありません。ガイドの人が「あまり大人数でテラスにいると危ないかもね」と冗談を言ってました。
中庭に出てきました。
ツタに覆われた姿も味がありますね。
中庭には井戸もありました。
この井戸はなんと深さ50mもあり、底は見えませんでした。
以上でライヒスブルク城の見学は終わりです。最後に別のアングルからもう一枚。本当にドラクエの世界ですね。
なお、最後にガイドさんに教えてもらったのですが、ライヒスブルク城の建造物のうち、下記の赤丸で囲んだ部分は「魔女の塔(Witch Tower)」と呼ばれています。
元々あった中世のライヒスブルク城のほとんどは17世紀にフランス軍によって破壊され、現在の建物の大部分は19世紀以降に再建築されたものですが、この魔女の塔だけは、当時の姿がほぼそのまま残っているそうです。確かに周りと色が違いますね。
ガイドさんは「魔女の力で破壊を生き延びたのかもね」と言っていました。日本でも大手町のど真ん中に「平将門の首塚」が残ってたりしますが、似たような因縁があるのかもしれません。
まとめ
この記事では、ドイツのコッヘムにある古城・ライヒスブルク城の2024年最新訪問記として、城の主な見どころををご紹介しました。
コッヘムは観光地としてはマイナーですが、お城だけでなく街並みも中世のようなメルヘンチックな雰囲気があり、またワインの名産地でもあるので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
コッヘムの2024年ワイン祭りを訪問した時の記事も併せてご覧ください。
当ブログには、ドイツ旅行・観光スポットに関する記事が多数あります。地域ごとにまとめてありますので、下記リンクからご覧ください。
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