ドイツ西部のモーゼル川沿いにあるワインの名産地、コッヘムのワイン祭り(2024年)を家族で訪れましたので、訪問記をお届けします。
おいしいワインを堪能したのはもちろん、おとぎ話の世界のような民族衣装に身を包んだ地元住民のパレードや夜空を彩る大迫力の花火、そして世にも珍しいワインの自販機についてもレポートします。
ヴィースバーデンのラインガウ・ワイン祭りを訪問した時の記事は、以下をご覧ください。
コッヘムワイン祭りについて
コッヘムって?
コッヘムは、ドイツ西部ラインラント=プファルツ州にある人口5,000人ほどの小さな街です。ワインの一大産地として有名なモーゼル川沿いにあり、渓谷の急斜面で育てられる良質なブドウで作られるワインは、ドイツ国内外で高い評価を得ています。
ワイン以外にも、ブドウ畑の丘の上に立つ古城や趣のある街並みが観光客の人気を集めています。
私たちは車で訪れましたが、意外と電車のアクセスが良く、フランクフルトやデュッセルドルフから電車で2時間半ほどで行くことができます。
ワイン祭りの概要
コッヘムでは毎年8月の最終週に「ワイン祭り」が開かれ、会場では地元のワインや料理を提供するスタンドが多数設置されて賑わっています。
2024年は8月22日(木)から26日(月)まで5日間のスケジュールで開催されていました。とりわけハイライトは日曜日で、伝統衣装に身を包んだ地元住民や関係者のパレードや、夜には大花火大会も行われ、大変な賑わいを見せていました。
伝統の民族衣装でパレード
私たちはパレードが行われる日曜日の午後2時前に、宿泊予定のホテルの駐車場に到着しました。
チェックインのために荷物を降ろそうとしていると、間もなくブラスバンドの音が近づいてきました。後で分かりましたが、ホテルのすぐ前の狭い道路が、パレードの出発地点のすぐ近くだったのです。
ちなみにパレードの出発地点とワイン祭り会場の位置関係は、以下のとおりです。小さい街なので歩いて回れます。
もちろんチェックインは後回しにしてパレードを見学しました。それにしても間一髪で、あと5分遅かったらパレードで道が封鎖されているところでした。
音楽隊も続々やってきます。
ワインの女王(?)も登場です。沿道の見物客に笑顔で手を振っていました。
パレードは地元の人たちだけでなく、関係が深い都市からも参加しているようでした。下記の人たちはスコットランドの旗を掲げていたので、もしかしたら遠路はるばる参加していたのかもしれません。
地元のかわいい子どもたちも行進です。ほっこりしますね。
こちらも地元女性のグループです。ワインを入れる「かめ」を持っています。
こちらの中世っぽい衣装は、虎がモチーフでしょうか。日本人的には阪神タイガースみたいで親近感が沸きます。
アルプスの少女ハイジに出てきそうな、お母さんたちも登場です。
こちらも中世っぽい衣装ですね。笑顔が素敵です。
最後に農作業で使うトラクターが登場して、パレードは終了です。
コッヘムのワイン祭りは情報が少ないので、パレードのルートなどは事前に分かりませんでしたが、期せずして目の前で素晴らしいパレードを見学出来て良かったです。
名産モーゼルワインを味わう
祭り会場の様子
ホテルでチェックインを済ませ、さっそくワイン祭りの会場に向かいました。私たちのホテルはモーゼル川の東側でしたが、会場へは橋を渡って徒歩10分程度です。
会場ではたくさんのワイン&フードスタンドと、訪問客用のテーブルとイスが用意されていました。
テーブルはほぼ満席で、家族連れや友人同士のグループなどが、楽しそうにグラスを傾けています。
ステージも設置され、バンド演奏が行われていました。
ワイン祭り会場の印象として、二週間前に訪れたヴィースバーデンのラインガウ・ワイン祭りに比べてこじんまりしていて、手作り感がありました。
ヴィースバーデンは良くも悪くもビジネスライクな感じで、「祭り」というよりは、ラインガウ地域のいろんなワイナリーが「見本市」のような感じで出店していましたが、ここコッヘムのワイン祭りは「地元の生産者によるお披露目会」という雰囲気を感じました。
一言でいうと、「おらが村のブドウで今年もワインが出来たから、飲んでってくれよ!」という感じです。
おいしいワインを堪能
早くワインが飲みたかったので、適当に目に付いたスタンドで早速注文しました。
どのスタンドでも、売られているワインはリースリングが中心です。ロゼやゼクト(スパークリング)もありますが、赤は皆無でした。ヴィースバーデンのラインガウ・ワイン祭りでは、Spätburgunderを中心に赤ワインもそこそこ提供されていたのとは対照的です。
値段は1杯100mlで3~4€(+グラスのデポジット3€)なので、標準的なドイツのワイン祭り価格です。
ワインの種類や注文の仕方、デポジットの仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
私は1杯目はリースリング、妻はロゼを注文しました。
100mlが標準量ですが、実際は150ml近く入れてくれるのがいいですね。
どちらのワインも、はっきりしたミネラル感とやわらかな口当たりが特徴的でした。それは自宅でモーゼルのワインを飲む時にも感じることですが、全体的にライン川沿いのワインよりも、モーゼルワインはやさしくて繊細な印象を受けることが多いです。個人的には好きです。
ボトルで買ってる人が多い
周りの席を見渡すと、どうやらボトルでワインを購入して飲んでいる人たちが多いようです。複数のワインスタンドを試すというよりは、ひいきにしているワインナリーが既にあって、そこの商品をメインに味わう、という楽しみ方をしている人が多いように思いました。
私たちはさすがにボトルでは注文しませんでしたが、2杯目は別のスタンドで200ml分を注文しました。2杯分の料金を払えば、このような注文の仕方も可能です。ちなみにピノ・ノワールのロゼとゼクトです。
デフォルトの1杯分(=100ml)だと少量で少しずついろんな種類を試せますが、頻繁に席を立って買いに行くのが面倒ですからね。
ちなみにこのロゼが美味しかったので、帰りにおみやげ用として一本ボトルを購入しました。
食べ物の種類も豊富
コッヘムのワイン祭りでは、食べ物のスタンドもたくさん種類がありました。ドイツでお決まりのフライドポテトやソーセージ系だけでなく、シャンピニオン(マッシュルーム)の煮込みやフラムクーヘン(ドイツ風の薄焼きピザ)もありました。
私たちはおつまみとして、シャンピニオンの煮込みにカレーソースをかけたもの(8€)を頂きました。
大粒のマッシュルームには旨味が凝縮されていて、ワインとの相性も抜群でした。
フラムクーヘン(11€)も買いましたが、お腹がいっぱいだったので、夕食用にホテルに持ち帰ることにしました。
マッシュルームとネギが大量に乗っていて、ひと口用に切れ目を入れてくれているのが素敵です。
子供も楽しめる
ワイン祭りの会場では、子ども向けの屋台もありました。例えば、下記の店ではわた飴やチョコレート、キャンディーなどが売られていました。
また、遊園地にあるようなグルグル回る乗り物も。1回3€で、子供たちに大人気で常に満員でした。
この他にも、射的で風船を狙って当たれば景品がもらえるような屋台もあり、まるで日本のお祭り会場のようでした。
ホテルでまったり
ワイン祭りもだいぶ満喫したので、一度ホテルに帰って休むことにしました。
今回泊まったホテルはこちらの「Hotel Zehnthof」です。
古い建物を改装したかわいいホテルです。
入口には、クマのぬいぐるみとブランコがあります。
泊まった部屋は最上階のファミリールーム。屋根の傾斜がありますが、広さは30㎡あるので余裕があります。
バルコニーも広くて眺めが良く、ソファやテーブルもあるので3~4人で快適に過ごせます。
バルコニーからはコッヘムのシンボルともいえるお城、ライヒスブルク城が見えます。
こちらのホテルは掃除がしっかり行き届いていて、スタッフも親切、朝食もたくさんの種類のハム、チーズ、パンが揃っていて美味しいので、おすすめです。
バルコニーのソファで2時間ほどうたた寝をした後、買っておいたフラムクーヘンとワインで軽い夕食を済ませました。
夜空を彩る花火
この日は夜10時から、ワイン祭りのフィナーレとして花火が打ち上げられることになっています。日本の花火大会に比べると開始時間が遅すぎですが、日没が遅いので仕方ありません。8月後半でだいぶ日が短くなってきていますが、それでも午後9時ごろまでは明るいです。
花火が始まる前に、少し街を散歩しました。橋を渡っていると、モーゼル川ではこのような船が何隻か行き来しています。
船でクルージングしながら優雅にワインを味わうという企画のようで、日本でいう「屋形船」のようなものだと思います。たくさんの人が手を振っていて、楽しそうでした。
部屋のバルコニーから花火を見るため、ホテルに戻りました。午後10時ちょうどに打ち上げ開始です。
花火は(1)橋の上、(2)お城のふもと、(3)川の東側の山、の3カ所から打ち上げられていました。
ライトアップされたお城が、花火の煌びやかな光で照らされていました。
花火のラストでは、このように橋から滝のように流れる演出もありました。水面に反射して、とてもきれいです。
花火は20分ほどで終了しましたが、想像していたよりずっと本格的で、日本の花火大会にひけをとらないほど美しくて凝ったものもあり、大満足でした。
コッヘムのワイン祭りを訪れる際は、可能であれば泊まりで、しかも花火が行われる日曜日に訪問するのをおすすめします。
おどろきのワイン自販機
翌朝はライヒスブルク城を観光した後、コッヘムの街を散策しました。さすがワインの街だけあり、ワイン関連のお店が多いです。
噂に聞いていた、ワインの自販機もありました。
自販機では10種類以上のボトルワインと水、プラスチックのグラス、そしておつまみのスナックが売られています。
話のタネに一本買ってみることにしました。まずは年齢確認のため、IDカードまたは運転免許証をスワイプします。
私たちはドイツの運転免許証を使いましたが、他の国の身分証明書が使えるかは分かりません。
続いて購入する商品の番号ボタンを押し、クレジットカードでタッチ決済すると…
無事にボトルのワインが出てきました。
ちゃんと冷えています。素晴らしいですね。このワインは持ち帰り、後日自宅でおいしく頂きました。
その後に入ったアイス屋さんでは、なんと「リースリング味」や「プロセッコ味」のシャーベットがありました。
試しにリースリング味を買ってみました。
もちろんノンアルですが、ちゃんとリースリングの上品な香りがして、結構くせになる味です。
コッヘムはワインの街だけあり、至る所にワイン関連の商品があります。ワイン好きの方は散歩しているだけでも楽しいと思いますので、ぜひ一度訪れてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、コッヘムのワイン祭り(2024年)の訪問記として、祭りの様子や民族衣装のパレード、夜空を彩るフィナーレの花火、珍しいワインの自販機などについてご紹介しました。
コッヘムのライヒスブルク城を見学した時の記事は、下記をご覧ください。
当ブログでは他にもワイン関連の記事がありますので、ぜひご覧ください。
また、ドイツ旅行関連の記事は下記をご覧ください。
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