ドイツ西部のケルンにある世界遺産「ケルン大聖堂」を2024年9月に訪れましたので、最新の観光情報と見どころ、おすすめ撮影スポットなどをご紹介します。
大聖堂はケルンのランドマークとして圧倒的な存在感を誇り、ゴシック建築の最高峰ともいわれる美しく力強い威容と数々の美術品、そして空にそびえる高さ157mの二本の尖塔が訪問者を魅了します。塔には有料で登ることもでき、533段の階段を自分の足で上がった先にはケルン全体を見渡す絶景が待っています。
ケルン大聖堂について
大聖堂の歴史
ケルン大聖堂( Kölner Dom)は、ドイツ西部NRW州のケルン市にあるカトリック教会の大聖堂です。その歴史は古く、4世紀に完成した初代、9世紀に完成した2代目に続いて、現在の大聖堂は3代目です。
先代(2代目)の大聖堂が13世紀に火災で焼失後、すぐに3代目の建設が始まりましたが、資金難などにより工事は何度も中断し、600年を経た1880年にようやく完成しました。
現在のケルン大聖堂には、東方三博士の聖遺物など宗教的に重要な品が納められているため巡礼者の訪問も多いですが、世界最大級のゴシック建築と規格外の高さでそびえ立つ2本の塔は観光客にとっても魅力的であり、年間600万人以上の訪問者が訪れています。
ちなみにこの訪問者数は、ベルリンの国会議事堂を上回りドイツの観光地として最多です。
基本情報
ケルン大聖堂の基本情報は次のとおりです。
- 施設名称:ケルン大聖堂( Kölner Dom)
- 住所:Domkloster 4, 50667 Köln
- 公式HP:https://www.koelner-dom.de/
- 開場時間
- 礼拝堂:月~土曜日は10:00~17:00、日曜日は13:00~16:00。ただしミサが行われている間は入場不可。ミサの開催時間は公式HPを参照。
- 南塔(展望):5月~9月は9:00~18:00、3、4、10月は9:00~17:00、11~2月は9:00~16:00
- 宝物館:10:00~18:00
- 入場料(2024年9月時点)
- 礼拝堂:無料
- 南塔(展望):大人8€、子ども(18歳未満)4€
- 宝物館:大人8€、子ども(18歳未満)4€
行き方
ケルン大聖堂は、鉄道のケルン中央駅(Köln Hbf)のすぐ目の前にあります。
大聖堂はとても大きく、ケルン中心部のどこからでも見えるほどなので、迷いようがないと思います。というか、電車でケルン中央駅に近づいていく途中から存在感たっぷりで必ず目に入ってきます。
車で行く場合は、ケルン大聖堂の地下に有料の駐車場があるほか、周辺にも民間の駐車場がいくつかあります。詳細は地図アプリで検索してください。
ケルン大聖堂を見学
外観&入口
ケルン大聖堂の正面入口は西側にあります。入口前が広場になっており、たくさんの観光客が写真を撮っているのですぐに分かると思います。
それにしても圧倒的な大きさです。2本の塔の高さは157m、建物全体の幅は86m、奥行きは145mもあります。ピンと来ないかもしれませんが、高さは40階建てのビルに相当。もちろんケルンにはそんなに高いビルはないので、この大聖堂だけが突出した存在感を放っています。
もう少し近づいてみましょう。
外壁は所々で黒や濃いグレーにくすんでいるのが分かると思います。これは第二次世界大戦中にケルンが連合国軍の爆撃を受けた際の爆風や煙、煤などの影響で変色しているためです。
不思議なことに、この色のグラデーションが大聖堂に何ともいえない威厳と風格をもたらしているようにも思えます。
大聖堂の南側も広場になっており、以下の写真は南側から撮ったものです。こちらも迫力充分です。
西側の正面玄関に戻ります。入口には真ん中に聖マリア像、左右には聖書に登場する聖人たちの像が配置されています。
また、入口上のアーチ部分や柱の一つ一つまで精緻な彫刻や装飾が施されており、そのこだわりは驚異的です。
大聖堂の中には、一般に開放されている時間帯(上記基本情報参照)であれば無料で入ることができます。私たちが2024年9月に訪れた際には、特にセキュリティチェックはありませんでした。
美しいステンドグラスからは神々しい光が
大聖堂の中に入ると、普通の礼拝堂とは比べ物にならないほど広大な空間が広がっています。特筆すべきは高さで、中央の身廊部分の天井は43mの高さです。
天井はゴシック様式特有のリブ・ヴォールトと呼ばれる円形で、アーチ状の梁が交差しています。
私たちが最初に訪れた時はちょうど日曜正午からのミサが開催中で、一般の観光客は礼拝所に入れない状態でした。
なお、ミサの最中でも礼拝所の手前までは入れて、ミサの様子を遠くから眺めることができます。パイプオルガンの暖かい音色が素敵なので、あえてミサのタイミングに訪れてみるのも良いかもしれません。
ちなみにパイプオルガンはかなり高いところに超大型のものが取り付けてあります。
私たちはミサの最中は一度外に出て、南側広場のフードスタンドでランチを食べてから再度13時過ぎに入場しました。
ちなみにケルン大聖堂の内部は以下のようなレイアウトになっており、下記の図では一番下が正面入口です。基本的には矢印の順路に沿って見学することになります。
入口から中に進むと、身廊の左右にはたくさんの鮮やかなステンドグラスがあります。右側の壁にあるのは「バイエルン窓」と呼ばれる5枚のステンドグラスで、バイエルン王ルードヴィヒ1世が寄贈したものです。
そのうちの1枚がこちらで、東方三博士の礼拝の場面を描いています。
私はキリスト教について限られた知識した持っていませんが、東方三博士は「東方の三賢者」という名でも知られていますね。アニメのエヴァンゲリオンに出てくる「マギシステム」でその名を知ったという方もいると思います(私もその一人です)。キリスト誕生の際に、東方から聖母マリアのもとにお祝いに駆け付けた3人と言われています。
こちらの2つのステンドグラスは、右がピエタ(十字架から降ろされたキリスト)、左が聖霊降臨を描いたものです。
身廊の左側には、キリスト誕生を描いたと思われるステンドグラスもありました。
礼拝所を先に進むと、南側の円形天井付近にある大きなステンドグラスからは、優しい光が差し込んでいました。
とても癒される光景で、礼拝用のイスに座りながらしばし見とれてしまいました。
なお、上の写真のステンドグラスは2007年にゲルハルト・リヒターという芸術家がデザインした新しいもので、72色のガラス11,500枚をコンピューターでランダムに配置したということです。
貴重な美術品や宝物の数々
中央の身廊を進んだ右側には、市の守護聖人の祭壇画(大聖堂の絵)と呼ばれる観音開きの絵画があります。
三面構成となっており、中央の絵は東方三博士の礼拝、左右はケルン市の守護聖人が描かれています。
祭壇の奥には黄金の聖棺があります。この中には、東方三博士の聖遺物(遺骨や遺品など)が納められているということです。
ちなみに東方三博士の聖遺物は、12世紀にミラノからケルン大聖堂(当時は2代目)に譲られたものです。
この聖棺の展示台の下は、一般の訪問者がくぐって通り抜けることができます。
聖棺をくぐり、祭壇の裏側をぐるりと回って身廊の左側に来ると、十字架にかけられたキリスト像があります。
この像は等身大の木製で、大司教ゲロが976年に寄贈したため「ゲロ・クロイツ(Gerokreuz)」と呼ばれています。現存する木製の十字架キリスト像としてはヨーロッパ最古のものとされています。
宝物館
ケルン大聖堂には、有料の宝物館もあります。同じ大聖堂の建物の中にあるのですが入口は別で、一度外に出て北側(ケルン中央駅方面)の専用入口から入る必要があります。
宝物館には、4世紀から20世紀にかけて使用されていた大司教たちの聖遺物箱、黄金細工が施された礼拝用具や様々な彫像などが展示されています。
宝物館の開館時間や入場料は、上記の「基本情報」をご覧ください。
南塔の533段の階段を上って展望台へ
ケルン大聖堂にある2本の高さ157mの塔のうち、南塔は有料で登ることができます(入場料等は上記「基本情報」参照)。
南塔の入口は、大聖堂の正面玄関に向かって右に進んだ先にある階段を地下に降りた所にあります。
塔にはエレベーターはなく、全533段の階段を自分の足で上り下りしなければなりません。所要時間は体力やペースにもよりますが、30分以上は見ておいた方が良いでしょう。最終入場時間も閉館の30分前となっています。
入口でチケットを購入して進むと、早速らせん階段が現れます。基本的にはこの形の階段が延々と続きます。
階段の通路は大人2人がすれ違うには若干狭いですが、上っていく客と下りてくる客がこの階段を共有するので、すれ違うたびにちょっとした渋滞が発生します。なお、ドイツなので右側通行です。
途中にはいくつか小窓があり、外の様子が見えます。
休憩スペースはありませんが、このようにドアがある場所がいくつかあり、入口スペースで立ち休憩をしている人もいました。
私たちは夫婦と5歳の息子の3人で訪れたのですが、息子はやたらと元気でどんどんと階段を上っていきます。体力の衰えが著しい私たち夫婦は息を切らしながらついて行くのがやっとです。
上り始めてから7分ほど経ったころ、永遠に続くと思われた階段が途切れ、ちょっとした広間に出ました。
本来は、この広間から「ピーターの大鐘」の目の前まで行けるらしいのすが、私たちが2024年9月に訪れた時は残念ながら大鐘に続く扉が閉鎖されていました。
なお、広間にはベンチがあるので、ここで小休憩を取ることができます。ここからまだ1/4程度の段数が残っています。
広間を出発し、さらに階段を上がっていきます。
途中からカーブの急な螺旋階段に変わります。階段からは下の広間が見えるのと、窓からは外の景色も見えるので、高所恐怖症の人はかなり怖いと思います。
3分ほど階段を上り続け、ようやく終点の展望台に到着です。
ちなみに塔自体の高さは157mですが、展望台は地上から約100mの高さにあります。
展望台はぐるりと一周できる構造になっていて、ケルンの街並みが一望できます。
北塔も間近に見えました。修復作業をしているようです。
展望台を見学した後は、再び533段の階段を下りて地上まで戻りました。下りは一見楽そうに見えますが、足を痛めやすいので無理せずゆっくり降りることをおすすめします。
おすすめ撮影スポットはライン川の対岸
最後にケルン大聖堂のおすすめ撮影スポットをご紹介します。ライン川を越えた先にある「皇帝ヴィルヘルム1世騎馬像」がある辺りです。大聖堂からは徒歩15分弱の距離です。
大聖堂の正面入口を出て東側に歩いて行くと、ライン川にかかる「ホーエンツェレルン橋」が見えてくるので、そのまま橋を渡っていきます。
ちなみにこの橋には、恋人たちが愛を誓うために取り付けた南京錠がなぜか無数にあります。
サイズや色は様々ですが、中にはかなり錆びているものもあり、正直言ってあまり美しい景観ではないような気がします(個人の感想です)。
それはさておき、約400mの橋を渡り切ると目的地に到着です。ここからはライン川とそこに架かる橋、そしてケルン大聖堂の全景を一枚の写真に収めることができます。
タイミングによっては、ライン川を行き交う船も一緒に撮ることができるので、いかにも「ケルンらしい一枚」を撮影したい場合はこのスポットがおすすめです。
私たちは昼間の時間に訪れましたが、夜は大聖堂と橋がライトアップされてかなり幻想的な写真を撮ることも出来るようなので、ケルンに宿泊される方は日が暮れてからここに訪れるのがいいかもしれません。
まとめ
この記事では、ドイツのケルンにある世界遺産「ケルン大聖堂」を2024年9月に訪れた際の観光情報に加えて、大聖堂の見どころや南塔の展望台、さらにおすすめ撮影スポットなどについてご紹介しました。
ケルンには大聖堂から徒歩圏内に「チョコレート博物館」もあり、製造工程の見学やリンツの出来立てチョコの試食もできて大人も子供も大満足の施設です。私たち家族が過去2回チョコレート博物館を訪れた際のレビュー記事もありますので、ぜひご覧ください。
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