MSCベリッシマの子連れ乗船記の最終回です。今回はクルーズ6日目に寄港した台湾・基隆のおすすめ情報と、7~8日目の終日航海日のおすすめの過ごし方などについてご紹介します。
前回までの記事は以下をご覧ください。
Day 6 基隆 小籠包に舌鼓 ドライフルーツも購入
観光の計画
6日目は、今回のクルーズで唯一の海外である基隆(台湾)に寄港です。地理的には石垣島から約260km、目と鼻の先ですね。船は朝6時ごろに入港。個人的には、コロナ禍以降3年半ぶりの海外です。なお、台湾には公私含めて過去5回ほど来たことがあります。
今回のクルーズでは、台湾寄港に当たって多くのオプショナルツアーが用意されていました。日本人に人気の九份を訪れるプランや台北市内を巡るツアー数種類、さらに台湾北部の海岸を訪れるツアーもありました。また、船内の相談デスクには2日前から以下のような張り紙がありました。初めて台湾を訪れる人には心強いですよね。
私たちは台湾の定番観光地を大体訪問済みだったので、ツアーには参加せずにゆるく台北市内を散策する計画です。とりわけ、以前からお気に入りのドライフルーツ問屋街(迪化街)を再訪したいと考えていました。
この日は早朝から多くの乗客が張り切って観光に出かけていて、朝食のブッフェは今までで一番空いていました。下船手続きも並ぶことなくスムーズに完了です。
なお、SIMフリーの携帯電話をお使いの方は、事前に台湾用のSIMカードを日本で用意しておくのがおすすめです。設定も船内で済ませておくと良いかと思います。SIMカードは現地のコンビニでも買えますが、貴重な現地滞在時間をカード購入や設定に費やすのは無駄だと思います。値段も、日本で買う場合と大きく変わりません。
私は以下のSIMカードを日本で購入していきましたが、設定も簡単で現地ですぐにネットが使えました。一番短くて安い3日間用で十分です。
SIMフリー携帯をお持ちでない場合は、海外用ポケットWifiがおすすめです。
最短1日からご利用可能WiFiレンタルなら『jetfi』台北へ
MSCベリッシマを含め多くのクルーズ船は、基隆駅近くの旅客ターミナルに停泊すると思います。
現地通貨台湾ドルについては、港のターミナルで臨時両替所がありました。また、銀行ATMも旅客ターミナル内にあったので、現金の確保には困らないと思います。港の周辺にもいくつか銀行ATMがありました(Google Mapで検索すれば出てきます)。
ただ、台湾はクレジットカードが多くの場所で使えるので、あまり多くの現金は必要でないと思います。
基隆駅は旅客ターミナルから徒歩10分程です。
なお、台湾で電車やバスを利用する際はEasy Card(悠遊カード)の購入がおすすめです。日本でいうSuicaみたいなもので、金額をチャージしておけば、電車やバスの運賃の支払いや、コンビニでの買い物などに使えます。Easy Cardの買い方や使い方は、検索すれば日本語の情報がたくさん出てきます。
Easy Cardは基隆駅の窓口でも買えます。私は元々1枚持っていたのですが、今回の旅行に持参するのを忘れたので、窓口で買い直しました。
基隆駅から台北駅までは、ローカル線(区間車)で40分ほどです。台湾の電車は漢字表記なので、日本人にも行先が分かりやすいです。
龍山寺訪問~鼎泰豊でランチ
久しぶりの台北駅に到着です。日本に似ていてエキナカ施設が充実しています。
とりあえず台北駅からMRT(地下鉄)に乗り換えて、龍山寺に向かいます。青色の板南線で2駅、「龍山寺」駅で下車して徒歩すぐです。
龍山寺を訪れるのは6~7年ぶりでしょうか。息子に台湾のお寺を見せたくて来ましたが、本人は人が多すぎてあまり気が乗らないようです。また、この日は気温30度以上とかなり暑かったため、お参りしてすぐに退散です。
その後は板南線を西門駅まで戻り、緑色の松山線に乗り換えて中山駅で下車して三越デパートへ。お目当てはここの地下にある鼎泰豊(ディンタイフォン)です。受付で人数を知らせると、約1時間待ちとのこと。その間にデパートの中を見学して時間をつぶします。
色々なお店を覗き、店員とやり取りをしていく中で気が付いたのは、日本語の通用度がコロナ前と比べて明らかに下がっていることです。
以前であれば、三越のようなデパートであれば向こうから日本語で話しかけてきたし、こちらが片言の中国語で話しても日本語で返してくる店員さんが多かったのですが、今回(2023年5月)は鼎泰豊も含めて日本語をしゃべる人はほとんどいませんでした。
まぁコロナ禍では3年以上日本人観光客は皆無だったと思いますし、コロナ後も円安で日本人の観光客は以前ほど存在感がないと思うので、仕方ないかもしれません。
ちなみに鼎泰豊では、以前と変わらず美味しい小籠包や台湾料理を楽しむことができました。
なお、我々のテーブルの両隣ではベリッシマのクルーズカードを首から下げた人たちが食事をしていました。やっぱりみんな考えることは同じですね。
ドライフルーツを買い出し
食事後は、ドライフルーツを買うために迪化街(てきかがい)に向かいます。
地下鉄でも行けますが、最寄駅から結構歩くのと、かなりの猛暑で息子が疲れてたのでタクシー(Uber)で行くことに。台湾ではUberが広く使えて便利です。言葉や地理に不安がある海外では、Uberにはとても助けられます。現金を出して「おつりが無い」とか言われたり、ぼったくられたりとかも無いですし、行先を間違えられることもありません。
迪化街は乾物問屋が集まった地域で、日本のガイドブックにも載っています。通りには色とりどりのドライフルーツを店先に並べた店舗がひしめき、見ているだけでも楽しいです。試食もできる店が多いので、色々試して自分の好みを探してみるといいかもしれません。
今回はドライフルーツ好きの息子のために、マンゴー、パイナップル、リンゴ、オレンジ、トマトなど複数の種類を購入しました。
その後は再びUberを呼び、台北駅へ。来た時とは反対方向の電車に乗って、基隆駅に戻りました。
アウレアで好きな時間にディナー
帰船後は、息子の希望でプールに直行。結局夕方までプールで過ごし、へとへとです。
なお、基隆には有名な夜市が出るということでしたが、我が家は疲れていたため船内でゆっくり過ごすことにしました。部屋でゴロゴロしていると、家族3人ともいつの間にか眠ってしまい、目が覚めると夜の7時過ぎ。いつもより少し遅いですが、8時前頃にディナーのためレストランに向かいます。
乗船記の第1弾でお伝えしたとおり、私たちは今回のクルーズをアウレア・エクスペリエンスで予約したのでMy Choice Diningという特典が付いており、ディナーは毎日自分たちの好きなタイミングに予約不要で食べることができます。この日も全く並んだり待ったりすることなく、メインレストランのアウレア専用スペースに案内して頂きました。
これがアウレア以外のプランだと、基本的に毎日決まった時間にレストランに行く必要があります。ただ、旅行に予定変更は付き物ですし、疲れてたり子供がぐずったりして、予定どおりに物事が進まないこともたくさんあると思います。
また、単純に指定された時間ではまだお腹が空いていないという日もあると思います。そんな時に、アウレアのMy Choice Diningは威力を発揮します。アウレアの料金は通常のプランよりも割高ですが、我が家はアウレアを選んで満足でした。
Day 7 – 8 終日航海日 プールを中心に船内でまったり
航海日の過ごし方
寄港地での観光も終わり、横浜へ戻るため2連続の終日航海日です。
我が家は大体午前中から昼過ぎまでプールで遊び、夕方まで息子と妻が昼寝している間に、私がサーマルエリアのサウナで汗を流すというパターンで過ごしました。東南アジアのリゾートホテルに来た時のような過ごし方で、個人的には観光地を慌ただしく回るよりも、こういう時間の過ごし方が好きです。
プールサイドでくつろぐ際は、プールサイドバーで好みの飲み物をオーダーするのがおすすめです。注文後に自分の場所まで持ってきてくれます。こちらがベリッシマのドリンクパッケージでカバーされる飲み物のメニューです。
なお、サーマルエリア(スパ)やサウナについては、こちらの過去記事で紹介していますのでご覧ください。航海日は一日中船の中にいるため、時間がたくさんあります。そんな時にいい香りのするスパでゆっくりお風呂に浸かったり、サウナで日頃の疲れを癒すのがおすすめです。
サーマルエリアは通常のプランだと一日USD80以上の利用料がかかりますが(2023年5月時点)、アウレアの乗客は無料で利用することができます。サウナ好きの私としては、この点もアウレアにして良かったと思えるポイントです。
MSCベリッシマの客室には基本的に浴槽がないため(ヨットクラブのスイート等特別な部屋を除く)、毎日お風呂に入りたいという方にもアウレアはおすすめです。
ディナー
航海日は食事の楽しみも重要なウェイトを占めますが、レストランのディナーは基本的に満足できるものでした。基隆で仕入れたのかどうかは分かりませんが、7~8日目はシーフードメニューが多かった気がします。こちらは我が家全員大好物のムール貝です。
また、MSCベリッシマは子連れの乗客が多いからだと思いますが、レストランのスタッフも子供にフレンドリーな人が多かったです。うちの息子がぐずっている時も変顔をして笑わせてくれたり、鶴の折り紙を折って渡してくれたりと、忙しい中でよく気遣ってくれて感謝です。
7日目のディナーは2度目のフォーマルナイト。プロのカメラマンに記念写真をとってもらいました。
エンターテイメント
航海日の夜はディナーの後、ロビーラウンジで催されていたピアノやバイオリン、ギターのミニコンサートを覗いたり、シアターでショーを鑑賞したりして過ごしました。
ロビーラウンジでは、毎晩8時~10時頃にかけて背の高い女性のヴォーカルとアコースティックギターの男性の2人組がパフォーマンスを披露していたのですが、特に女性の歌声が素晴らしかったです。
ホイットニー・ヒューストンの”I will always love you”などの洋楽定番曲が中心でしたが、たまに日本の「風になりたい」なども披露してくれて、我が家は毎回大きな拍手を送っていました。息子も親に教えてもらった”Bravo”を連呼していました。
我が家以外の子供たちもロビーのミニコンサートによく集まっていて、時には走り回ったりもしていましたが、子連れ中心の客船なので気まずい雰囲気にはなりませんでした。
ヴォーカルの女性も息子のことを覚えてくれて、最後の日はこんな感じで向こうから記念撮影をしようと誘ってくれました(なぜかカメラが白黒設定になっていました)。
また、シアターでのショーは撮影禁止のため写真はありませんが、劇・歌ともにレベルが高く満足でした。メンバー紹介によると、ウクライナ出身の方が多いとのことでした。
こんな形で楽しいクルーズの夜は更けていきます。名残惜しいですが、もうすぐクルーズの旅も終わりを迎えます。
下船準備
大きな荷物は、下船の前夜に指定のタグを付けて部屋の外に出しておく必要があります。最後の夜を楽しんだ後、部屋に帰って荷物の整理と荷造りです。この作業をしていると現実に引き戻される感じがしてしまいます。
Day 9 横浜で下船
朝7時頃に目が覚めて窓の外を見ると、もう横浜に近づいているようでした。8時までに部屋を空けないといけないので、急いで支度をして朝食のためレストランに向かいます。ブッフェよりは空いていると思いましたが、こちらもかなり混雑していました。
その後は下船手続き開始までシアターで待機です。予定より少し遅かったですが、11時頃には税関も含め全ての手続きが完了し、港の駐車場から車で帰路に着きました。
そういえば、最終日の夜に息子にせがまれて、船内の売店でベリッシマの形をしたおもちゃを購入したのですが、これがなかなか秀逸です。
チョロQのように後ろに引いて離すと前進するようになっており、上の突起を押すと船の汽笛の音が鳴ります。帰りの車の中で、今まで乗っていたベリッシマをベイブリッジから見下ろしながら、息子はおもちゃの汽笛を鳴らして「またベリッシマに乗りたい」とつぶやいてました。
ベリッシマ乗船レビューの総集編と、おすすめポイント・気になった点のまとめは、以下の記事をご覧ください。
2025年のベリッシマの日本発着クルーズについては、以下の記事で全コースをまとめています。
最近はクルーズ旅行の人気がとても高まっており、どの航路も早めに予約が埋まってしまいます。旅行の計画はお早めに。
当ブログでは他にもクルーズ関係の記事が多数ありますので、併せてご覧ください。
MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)乗船記
-
MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)地中海クルーズ子連れ乗船記① これぞヨーロッパの夏 バカンス民で超混雑 アウレアで正解
-
MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)地中海クルーズ子連れ乗船記② マルセイユで絶品ブイヤベース| 船内アクアパークを遊びつくす
-
MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)地中海クルーズ子連れ乗船記③ バルセロナで人気バルの絶品タパスとサグラダファミリア見学| クルーズターミナルとシャトルバス解説も
-
MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)地中海クルーズ子連れ乗船記④ 航海日はアウレアスパとプール三昧| フォーマルナイトで現地民の服装ラフ過ぎ
-
MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)地中海クルーズ子連れ乗船記⑤ チュニジアでカルタゴ遺跡、アントニヌス浴場とチュニス旧市街見学
-
MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)地中海クルーズ子連れ乗船記⑥ シチリア島パレルモ 圧巻のパラティーナ礼拝堂とノルマンニ宮殿| 極旨シーフードに舌鼓
-
MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)地中海クルーズ子連れ乗船記⑦ ナポリで考古学博物館とトレド通り 地下鉄乗り方解説も| リヴォルノで下船はスムーズ
-
MSCベリッシマの日本発着クルーズとグランディオーサ(欧州発着)の違い11個| より快適なのはどっち?
ダイヤモンドプリンセス乗船記
オーシャニア リビエラ乗船記
その他のクルーズ記事