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MSCベリッシマの日本発着クルーズとグランディオーサ(欧州発着)の違い11個| より快適なのはどっち?

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2024年の夏に、子連れでMSCグランディオーサ(ベリッシマの姉妹船)の地中海クルーズに乗船しました。その1年前には、同じ客室グレード・プランでベリッシマの横浜発着クルーズにも参加したので、それぞれの乗船経験を基に、両者の主な違いについてご紹介します。

日本でベリッシマに乗船する方や、これからヨーロッパでグランディオーサのクルーズに参加する方、またエウリビアやエウローパなど他のMSCのクルーズに乗船する方にも参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

乗船したクルーズのおさらい

MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)乗船記① 乗船前に記念写真

まずは私たちが乗船したMSCの2つのクルーズについて、基本的な情報を以下の表にまとめました。

スクロールできます
ベリッシマグランディオーサ
乗船時期2023年ゴールデンウィーク 2024年7月
航路横浜~鹿児島~那覇~石垣島~基隆~横浜リヴォルノ~マルセイユ~バルセロナ~チュニス~パレルモ~ナポリ~リヴォルノ
部屋海側バルコニー(アウレア)海側バルコニー(アウレア)
プランアウレア・エクスペリエンス
+
ドリンクパッケージ
(イージーパッケージ)
アウレア・エクスペリエンス
+
ドリンクパッケージ
(イージーパッケージ)
乗船人数3人(夫婦+未就学児)3人(夫婦+未就学児)

ベリッシマとグランディオーサはほぼ同型の船で、基本的な構造や設備は共通です。また、部屋の種類や選べるエクスペリエンス(プラン)も基本的に同じです。

上の表のとおり、私たちはベリッシマとグランディオーサのどちらでも同じタイプの部屋(海側バルコニー・アウレア)を選び、乗船プランもアウレア・エクスペリエンスにドリンクパッケージを付けていました。

つまり、乗客として選べる条件はほぼ同じ状態でそれぞれの船に乗ったので、パンフレットでは伝わりにくい「実際のサービス」や「雰囲気」、「体験」などソフト面を中心に両者を比較するのに適した立場であると思います。

比較の観点

以下の3つのカテゴリーに分けて、その中で合計11の観点からMSCベリッシマとグランディオーサの乗船体験の違いをお伝えします。

  • 人に関する違い
  • サービスに関する違い
  • 設備・ルールに関する違い

なお、以下の点にご留意ください。

おことわり

この記事で紹介する内容は、筆者が2023年のGWに日本でMSCベリッシマに乗船した時の体験と、2024年の夏にヨーロッパでグランディオーサに乗船した時の個人的な体験に基づくものです。

それぞれの船の設備やサービスは常にアップデートされていますし、乗客の客層などについても、乗船時期や場所によって大きく変わることがあり、この記事で紹介する内容が常に当てはまるわけではありませんので、ご留意ください。

人に関する違い

スタッフの国籍

MSCのクルーズでは、スタッフが制服の胸にネームプレートを付けており、名前と出身国が分かるようになっています。

私たちがグランディオーサの地中海クルーズに乗船した時は、乗客の大半が南欧のラテン系言語話者(スペイン語、イタリア語、ポルトガル語)ということもあり、スタッフの多くが中南米の出身者でした。

具体的にはブラジル、アルゼンチン、チリ、コロンビア、ホンジュラスなどで、これらの国出身であればラテン系言語が話せるので、合理的なスタッフ配置だと思いました。

MSCグランディオーサのレストラン
グランディオーサのレストランでスタッフが乗客の誕生日を祝う 南米式の太鼓やリズムでお祝い


一方で、日本路線のベリッシマの乗船した時はフィリピン、インドネシア、インドなどアジア諸国出身のスタッフが多かったです。特にレストランで直接乗客と接するスタッフは、フィリピンやインドネシア出身者が大多数でした。フィリピン人スタッフは英語が堪能ですし、アジア的な物腰の柔らかさもあるので、日本航路には向いているのだと思います。

スタッフの熟練度

MSCグランディオーサのレストラン

私たちが乗船したベリッシマの2023年GWクルーズは、コロナ後にMSCが本格的に日本発着の運航を再開した第一号のクルーズだったということもあり、色々と不慣れなスタッフが多かったです。

具体的にはレストランのオーダーが通ってなかったり、注文したものと違うものを持ってきたり、リクエストした備品が何度言っても部屋に来なかったり、まぁ色々ありました(現在は改善されているかもしれませんが)。

一方でグランディオーサの地中海クルーズでは、乗客の99%が周辺国のヨーロッパ人ということもあり、日本人と違ってはっきりと主張するし要求も厳しいので、スタッフもかなり鍛えられているよう見えました。

スタッフの動きが全体的にキビキビしていたし、こちらからリクエストしたことについては、多少時間がかかっても必ず的確に対応してくれて、プロっぽさを感じる場面が多かったです。

客層・マナー

たまたまかもしれませんが、私たちがグランディオーサの地中海クルーズに参加した時の乗客は、お世辞にもマナーが良いとは思えない人が多かったです。

具体的にはブッフェで食べ物を取る時に横から強引に手を伸ばしてきたり、ぶつかっても何も言わなかったり、列に並ぶ時の距離が異常に近かったり、フォーマルナイトなのにドレスコード全無視だったり、残念に思うことが結構ありました。

MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)乗船記④ フォーマルナイトでもラフな服装の乗客
グランディオーサのフォーマルナイトでは、ドレスコード無視のだらしない服装も

また、レストランでのテーブルマナーについても、ナイフとフォークの使い方が明らかにおかしい大人もいたりして、本場ヨーロッパなのにどうなってるのかと思いました。

全体的に客層はものすごく良い訳ではなかったですが、まぁMSC自体がカジュアル船ですし、ヨーロッパは階級社会なのでこんなものかと思いました。

なお、同じ地中海クルーズとは言っても、2017年にオーシャニアクルーズ・リビエラの地中海クルーズに乗船した時は、上記のように感じたことはありませんでした。


MSC同士の比較に話を戻すと、ベリッシマの日本発着クルーズ(乗客の大半は日本人)に乗船した時の方が、客層やマナーについては比較的まともだっという印象です。

おそらくですが、日本ではクルーズ旅行がまだヨーロッパほど一般的ではないということもあり、「一週間以上の外国船クルーズ」に参加するという時点である程度ふるいにかけられており、カジュアル船とは言っても比較的まともな人が集まりやすいのではないかと推察します。


サービスに関する違い

クルーズカードの受け渡し方法

MSCグランディオーサで驚いたのが、クルーズカードがチェックイン時に渡されるのではなく、乗船後に自分たちの部屋のドアノブにかけられているカードを自分でピックアップするということでした。

MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)乗船記① クルーズカードはドアノブに下げられている

セキュリティ面で大丈夫なのかと思いますが、まだ一度も部屋に入っていない状態なので、盗まれるものは何もないという解釈なんでしょうか。

ちなみにチェックイン後に初めて船に入る時はどうするかというと、事前にMSCのHPまたはアプリでボーディングパスをダウンロードしてあるので、その中にあるQRコードをセキュリティスタッフに見せて入ります。

MSCグランディオーサのボーディングパス
グランディオーサのボーディングパス


一方で日本路線のベリッシマでは、というか過去に乗ったグランディオーサ以外の全てのクルーズ船で、クルーズカードはチェックイン時に渡してもらえました。

アウレアの扱い

私たちは、グランディオーサとベリッシマのどちらもアウレアのプランで乗船しました。アウレアの特典自体は両者で共通でしたが、サービスの運用に微妙な違いがありましたので、ご紹介します。

アウレア専用レストラン

アウレア特典の一つとして「マイチョイス・ダイニング」というものがあり、レストランのディナーを予約不要で好きな時間に食べられるというものです。

日本でベリッシマに乗船した時は、一般のメインレストランの一部区画を「アウレア専用エリア」として運用していましたが、グランディオーサでは、アウレア乗客専用のレストランが用意されていました

MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)乗船記① アウレア専用レストラン
グランディオーサのアウレア専用レストラン

専用レストランとはいってもメニュー自体は一般レストランと同じですが、スタッフ曰くベテランのメンバーが配置されていたり、席間が広くとられていたりして、かなり居心地が良かったです。

アウレア専用プールのタオル

アウレアの乗客は、19階にあるトップ・エクスクルーシブ・ソラリウムという専用のプールエリアが使えます。

MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)乗船記① アウレア専用プール トップエクスクルーシブソラリウムの入口



日本路線でベリッシマに乗船した時は、専用プールでもタオルは用意されておらず、自室から持参する必要がありました。一方で、グランディオーサではアウレア専用プールで利用客専用のタオルが用意されており、使い放題でした。

MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)乗船記① アウレア専用プールの専用タオル

いちいち人数分のタオルを部屋から持っていくのは面倒なので、この差はかなり大きいです。しかも「Top 19」というロゴまで入っていて、特別感があります。一般用のタオルみたいにボロボロだったりもしません。

総じてグランディオーサの方が、アウレア乗客に対する扱いが良かったです。


なお、アウレアのメリットやおすすめポイントについては、過去の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

レストランの紙メニューの有無

グランディオーサの地中海クルーズでは、原則としてレストランでは紙のメニューが用意されておらず、自分のスマホでPDFのメニューを見て注文するという形式でした。

MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)乗船記④ フォーマルナイトのディナーメニュー
グランディオーサのPDFメニューの例

乗客の構成からして多言語対応が必要(船内放送は英語、スペイン語、イタリア語、フランス語、ポルトガル語、ドイツ語の6か国語で実施)ということもあり、紙のメニューを全言語で印刷するわけにもいかないので、デジタルメニューのみというのは仕方がないと思います。

しかしながら、レストランではメニューブックを開いて、パートナーや家族とあれこれ言いながら注文する品を決めるのも楽しみの一つだと思っているので、少し残念な気もしました。席に着いて、すぐに全員がスマホ画面を凝視するのは異様な光景でもあります。

一方でベリッシマの日本発着クルーズでは、もちろん紙のメニューがレストランの各席に用意されていました(PDFメニューもアプリから閲覧可能)。

船内新聞配布の有無

これもレストランの紙メニューと似た話ですが、グランディオーサの地中海クルーズでは、船内新聞が紙で印刷・配布されるということはなく、MSC for Meアプリ上のリンク先にアップロードされているのみでした。しかもリンクへのサクセス方法がかなり面倒くさかったです。

MSCグランディオーサのPDF形式の船内新聞
グランディオーサの船内新聞(PDF)の例

一方のベリッシマでは、昔ながらの紙の船内新聞が毎日部屋に届けられていました。

環境保護という観点ではなるべく紙に印刷しない方が良いのは分かっていますが、やはり紙の船内新聞があった方が何となく安心します。

寄港地でのアナウンス

MSCグランディオーサの地中海クルーズでは、寄港地で観光のための下船開始を知らせるアナウンスが全くありませんでした。

通常のクルーズだと、「〇時から下船開始なのでXXにお集まりください」というようなアナウンスがあるものですが、グランディオーサでは船内新聞に下船情報が書いてあるのみでした。その船内新聞も存在やアクセス方法が分かりにくいので、最初の数日間は戸惑いました。

一方ベリッシマの日本発着クルーズでは、寄港地で必ず日本語と英語で下船情報に関するアナウンスがありました。

最終日の朝に手荷物預かりサービス

MSCグランディオーサの地中海クルーズでは、最終日の朝に部屋を明け渡してから下船するまでの間に、手荷物を一時的に預かってくれるサービスがありました。

MSCグランディオーサ(ベリッシマ姉妹船)乗船記⑦ 下船前の手荷物預かりサービス

もちろん大型のスーツケースなどは前日夜に部屋の外に出しておくのですが、着替えや洗面道具などを入れた小型のキャリーケースは、最終日朝まで手荷物としてキープすることが多いと思います。そしてそれらの荷物は最終日の朝食時などに邪魔だったりするので、手荷物預かりサービスはとても助かりました。

一方でベリッシマの日本発着クルーズでは、私の知る限りでは同様のサービスはありませんでした。


設備・ルールに関する違い

エレベーター

グランディオーサでは、乗客用エレベーターの行き先案内と乗り方が独特で面白かったです。

エレベーターホールでは、左右3つずつ計6基のエレベーターがありますが、まずはタッチパネルで自分の行きたい階を押します。下の例では、今私がいる13階から5階に行くため「5」の数字を押すとします。

MSCグランディオーサのエレベーター

すると、一番早く5階に行ってくれるエレベーターの番号がディスプレイに表示されます。上の例では、この後「D」と表示されました。

同時にDのエレベーターも光ります。

MSCグランディオーサのエレベーター

Dのエレベーターが来て乗り込むと、中にあるディスプレイには行き先として指定されている階が”Accepted Calls”の欄に表示されています。エレベーター内ではボタン操作は不要です。この時は私たちだけが乗っていたので、「5」だけが表示されていました。

MSCグランディオーサのエレベーター

最初に行き先を押せばどのエレベーターに乗るべきかがすぐ分かり、乗った後は何も押す必要がないので、結構便利な仕組みだと思いました。


一方のベリッシマでは、エレベーターは普通に上下ボタンを押して到着を待ち、中に乗り込んでから行き先を押すという、ごく一般的なエレベーターでした(2023年5月時点)。

屋外の喫煙

MSCベリッシマの日本発着クルーズでは、喫煙が認められているのは15階の屋外プール脇の一部区画のみでしたが、グランディオーサの地中海クルーズでは、屋外で灰皿があれば基本的にどこでも吸い放題のようでした。

おそらくですが、ヨーロッパの多くの国では基本的に屋外でタバコが吸い放題であるのに対し、日本では一部の認められた場所でのみ喫煙OKなので、両船ともそれに合わせた運用なのではないかと推察します。

私自身はタバコを吸いませんし、小さな子供もいるので、グランディオーサでは他人のタバコの煙が気になる場面が結構ありました

まとめ

この記事では、私たちが子連れでMSCグランディオーサの地中海クルーズとベリッシマの日本発着クルーズに乗船した時の体験に基づき、両者の微妙な違いについてご紹介しました。

まとめると、グランディオーサではスタッフの熟練度が高くこちらから質問・リクエストをすれば確実に対応してくれる一方で、乗客への情報提供やアナウンスは最小限、または提供場所が分かりにくかったです。

これに対してベリッシマでは、スタッフが全体的に不慣れだったものの、乗客に対する案内や情報提供はこまめに行っており、クルーズに慣れてない人にも馴染みやすいのではないかと思います。

また、アウレアの乗客に対する扱いはグランディオーサの方が一枚上であるものの、乗客の全体的なマナー・民度についてはベリッシマの日本路線の方が良かったです。

両者の細かい違いについてご紹介してきましたが、ベリッシマもグランディオーサも設備やサービスは基本的に同じであり、どちらでも船上で楽しい時間を過ごせることに変わりはありません。

日本在住の方にとってはベリッシマの方が利用しやすいと思いますが、最近は日本でもクルーズが大人気でゴールデンウイークや夏休み期間のコースはすぐに予約が埋まってしまうので、早めの行動が肝心です。



もちろんグランディオーサをはじめ、MSCの海外発着クルーズも日本航路にはない魅力がたくさんあります。

\ 海外発着のコース /



日本でMSCベリッシマに乗船した時のレビュー記事は、以下をご覧ください。


MSCグランディオーサの地中海クルーズ乗船記は以下をご覧ください。


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ダイヤモンドプリンセス乗船記


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