リスボンにあるシェラトン・リスボア・ホテル&スパに子連れで2泊したので、宿泊レビューをお届けします。
地下鉄駅に近いため観光に便利で、近年は見られなくなったシェラトンらしい丁寧さが随所に感じられるホテルでした。また、クラブラウンジはロビー階のラウンジバーと共用ですが、この方式も意外と良いのではと思いました。その理由は記事の中でお伝えしていきます。
シェラトン・リスボア・ホテル&スパの概要

基本情報
シェラトン・リスボア・ホテル&スパは、リスボンの中心部近くにあるホテルで、マリオット・インターナショナルグループに加盟しています。
- ホテル名:シェラトン・リスボア・ホテル&スパ(Sheraton Lisboa Hotel&Spa)
- 住所:Rua Latino Coelho, 1, Lisbon, Portugal, 1069
- 公式HP:https://www.marriott.com/en-us/hotels/lissi-sheraton-lisboa-hotel-and-spa/overview/
- チェックイン:15:00
- チェックアウト:12:00
- 駐車場: 19€/24時間
アクセス
空港からのアクセス
シェラトン・リスボア・ホテル&スパへは、リスボン空港から地下鉄のレッドラインに乗ってSaldanha駅で下車し、そこから徒歩7分ほどです。所要時間は徒歩も含めて約30分です。地下鉄駅を降りてからホテルまでは、若干石畳の道があるのでスーツケースだと大変かもしれません。
空港からタクシーやUberを利用する場合は、約20分でホテルに到着します。ポルトガルはUberが安いので、人数や荷物が多い場合はUberの利用もおすすめです。
市街地へのアクセス
シェラトン・リスボア・ホテル&スパからは、地下鉄ブルーラインのParque駅にも徒歩10分弱で行くことができます。ブルーラインを利用すればコメルシオ広場やサンタ・ジュスタのエレベーターなどの主要観光地、レストラン街などにも30分以内でアクセスすることができます。
チェックイン&ウェルカムギフト
シェラトン・リスボア・ホテル&スパのフロントは地上階にあります。チェックインは公式には15時からですが、私たちが14時ごろに到着した時は部屋の準備が出来ているということで、スムーズにチェックインできました。
元々予約していたのは一番安いデラックスルームでしたが、私たちはマリオット・ボンヴォイのプラチナ会員ということもあり、2ランク上のプレミアムルームにアップグレードして頂きました。
また、マリオットのプラチナ会員以上は、チェックイン時に以下のウェルカムギフトを選ぶことができます(2025年2月時点)。
- 1,000ポイント
または
- 地元産の赤ワインまたは白ワイン1本(フルボトル)
上級会員向けのウェルカムギフトは、多くのホテルで1,000ポイントまたはUSD 10程度のホテルクレジットという所が多いですが、ワインのフルボトルを選べるというのがポルトガルらしいというか、ちょっとリゾートホテルっぽい雰囲気を感じます。ワイン好きの私たちは白ワインを選択しました。
ワインはチェックイン後すぐに部屋に持ってきてくれました。しっかりしたクーラーに入れて冷えた状態で持ってきてくれたのが好印象です。


この後すぐに観光に出かけたので部屋で飲む機会はありませんでしたが、このワインはおみやげとしてドイツの自宅に持ち帰りました。
上記のウェルカムギフトに加え、プラチナ会員以上であればクラブラウンジ(後述)へのアクセスと、レストランでの朝食ブッフェも無料で付いてきます。
プレミアムルームの部屋レビュー
今回アサインして頂いたのは、18階にあるプレミアムルームです。エレベーターを降りると照明が少し落とされているような様子で、入口ドアはこのように革張りの重厚な造りです。なかなか珍しい、面白いデザインではないでしょうか。

入口から見た部屋の様子はこんな感じです。公式HPによると面積は約32㎡で、元々予約していたデラックスルームと広さや部屋のつくりはほぼ同じですが、プレミアムルームの方が高層階にあってアメニティが充実しているとのことです。

部屋の横幅もそこそこあります。この部屋はツインベッドですが、同じタイプでキングベッド仕様の部屋もあります。

右手には壁掛け式の大型テレビがあり、その下には洋服をたくさん収納できるチェストがあります。

チェストの上には瓶に入った500mlのミネラルウォーター(スティル)2本と、ポートワインの小瓶が1本ありました。水は毎日新しいものに交換してくれます(ドイツのマリオット系ホテルは交換無しの場合もある)。ポートワインは有料かと思いましたが、確認したら無料とのことです。この辺りもリゾートホテルっぽい運用ですね。

窓際には大型のデスクがあります。幅、奥行きともに充分すぎるサイズで、出張で泊まっても快適にPC作業が出来そうです。問題は、仕事でポルトガルに来る人はあまりいなそうということでしょうかw。

ちなみにデスクの上にはシェラトンのロゴ入りのメモ用紙とボールペンがあります。何てことないように見えますが、最近は経費節減のためか、シェラトンやウェスティンクラスのホテルでも、ロゴ入りのボールペンが部屋に用意されていることが少ない気がします。10年くらい前までは(特にマリオットと統合する前)、当たり前に用意されている備品だったんですけどね…。
窓際の反対側には、一人用のソファと丸テーブルがあります。シンプルですが、素材の質感は高いです。

ベッドを見てみましょう。ツインベッドの部屋はシングルサイズ相当が2台で、子供と添い寝をする場合は未就学児までが限界かもしれません。一般的にシェラトンやマリオットでは、ベッドが狭いと言われれているヨーロッパでも「ツインルーム」の部屋でダブルサイズ相当のベッド2台を用意している場合が多いですが、このホテルは本当にシングルサイズでしたw。

ベッドサイドには、Bluetoothでスマホと接続できるスマートスピーカー(USB Type AとType Cの端子付き)と

USB Type Aの充電ポートがありました。ヨーロッパのホテルはUSB充電ポート自体がない所も多い中で、このホテルはスマホやタブレットを充電する環境はかなり整っていると言えるでしょう。

ちなみに上の写真だと光の関係で結構ホコリをかぶっているように見えるかもしれませんが、部屋は全体的にキレイに掃除されていました。
続いて入口脇のクローゼットを見てみましょう。カーテンで仕切るという珍しいタイプで、部屋を広く見せる効果がありそうです。サイズは充分すぎる大きさで、ハンガーの本数もまぁまぁです。奥にはアイロン台もありますが、なぜか靴ベラは用意されてませんでした。

クローゼットの横には、バスローブが2着とスリッパが2セット用意されています。標準でスリッパがあるのは日本人的にはうれしいですね。

その下にはネスプレッソマシンと電気式ケトルが。この辺りは普通ですね。

さらにその下には、番号式のセーフティボックスと小型冷蔵庫がありました。
続いてバスルームを見ていきましょう。バスタブ付きなのはポイント高いですが、ガラス張りなのでブラインドを閉めないと部屋から丸見えというリゾート仕様です。シャワーはハンドシャワーですが、レインシャワー的に使うこともできるという優れもの。

洗面所はこんな感じで、壁一面が鏡なので掃除が大変そうですw。洗面台の広さもまぁまぁです。

アメニティはGilchrist & Soamesで統一されています。ヨーロッパなのでもちろん歯ブラシはありません。

洗面所の左側にはトイレと、南欧らしくビデがあります。結構広い空間で、一応ドアも閉まります。しかしトイレまでこんな壁一面を鏡張りにする必要があるんでしょうか?

特筆すべきは、最近はどのホテルでもある「エコのためにタオルを繰り返し使って頂ける場合は掛けておいてください」という案内が見当たらなかったことです(たまたまかもしれませんが)。試しに使用済みのタオル類を掛けて外出しましたが、ちゃんと交換されていました。
朝食ブッフェ

シェラトン・リスボア・ホテル&スパの朝食は、地上階にあるレストラン「Lobby Bistro」で頂くことができます。
スタッフに案内されて席に着くと、コーヒーかお茶の好みを聞いて席まで持ってきてくれます。紅茶は小さいながらもちゃんとしたティーポットに入れてサーブしてくれました。

席にはフォークとナイフが2セットずつ用意してあります。ブッフェだと食べ終わった皿と一緒にフォークとナイフを回収されることが多く、新しいセットをリクエストするのが面倒だったりするので、最初から2セットあるのは合理的だと思いました。ちょっとコース料理っぽいですよね。

ブッフェの内容を見ていきましょう。ホットミールはハッシュドポテト、ソーセージ、ベーコン、スクランブルエッグ、グリルトマト、マッシュルームなど、どこにでもある定番メニューのみです。

卵料理はオムレツや目玉焼きなどをリクエストに応じて作ってくれます。私たちが利用した時は、あまりリクエストする人がいないのか暇そうにしてました。

コールドミールはこんな感じで、こちらも極めて普通。各種チーズ、ハム、スモークサーモンなどが用意されています。大きめのモッツァレラチーズがたくさんあったので、好きな人はぜひ試してみてください。

その隣には、申し訳程度にサラダコーナーが。ちょっと野菜の種類が少ない気がします。

こちらはパンコーナー。ヨーロッパのホテルとしては若干種類が少なめかな?

と思ったら、反対側にクロワッサンやデニッシュ系のパンがありました。一番右にはポルトガル名物のエッグタルトもちゃんと用意されています。有名店には負けますが、結構おいしかったです。

こちらはパンケーキのコーナー。ジャムの種類は結構あります。

ミューズリー系もそこそこの品揃え。

果物は6種類ありました。ザ・普通という感じですかね。

飲み物を見ていきましょう。ジュースはオレンジ、アップルとラズベリー系の赤いジュースがありました。オレンジジュースは生で搾る機械があるので新鮮ですが、スタッフが搾った後のピッチャーを厨房に持って行って戻った時には量が増えていたので、水で薄めていると思われますw。それでも充分おいしかったのでOKです。

このほか、コーヒーマシンが3台と牛乳、飲むヨーグルトがありました。
また、ヨーロッパではよくある(?)”朝からスパークリングワイン”も提供されてました。あまりにひっそりと置かれているので、気付いてない人が多そうです。

総合的な印象としては、このホテルの朝食ブッフェは極めて普通かつシンプルで、特筆すべきものはありません。ポルトガルは食文化が豊かで日本人好みの食べ物が多いので朝食も期待していましたが、どの国のどのホテルにもあるアメリカスタイルの朝食メニューでした。唯一ポルトガルらしかったのは、デザートのエッグタルトのみです。
南欧は全体的に夜ご飯の時間が遅く、朝食は軽く済ませる人が多い文化と言われているので、それもあって朝食ブッフェにあまりこだわりが感じられないのかもしれません。
なお、ブッフェのメニューは2日間とも全く同じでした。
クラブラウンジ

ラウンジの様子と利用方法
シェラトン・リスボア・ホテル&スパのクラブラウンジは、地上階フロント横のロビーエリアにあります。何だか変だと思うかもしれませんが、「クラブラウンジ」として独立した施設があるわけではなく、一般客も使えるロビーラウンジ「Lobby Bar」と共用になっています。イメージ的には、Lobby Barを無料で使わせてもらえるという感じです。
元々は他のマリオット系ホテルと同じように独立したクラブラウンジがあったようですが、コロナ禍で閉鎖し、今の形式に至るということです。
Lobby Barを「クラブラウンジとして使う」ことができるのは、マリオットのプラチナ会員以上およびクラブフロアの宿泊客です。
利用時間はLobby Barの営業時間と同じで朝の9:00~翌日深夜1:00まで、夕方17:30~20:30の間はカクテルタイムとしてちょっとした軽食も提供されます。また、アルコール類は昼間も提供されています。
雰囲気はこんな感じで、ロビーラウンジなので当然ながら開放感があります。ゆったりとしたテーブル席が中心で席間も広いです。収容人数は30人程度でしょうか?

バーカウンターの奥にはグランドピアノがあり、夜の時間帯は生演奏が行われていてなんとも贅沢です。

席に着くとスタッフが近づいてくるので、「クラブラウンジとして使いたい」旨を伝えると、ルームキーの提示を求められます。利用資格の確認が終わると、飲み物の注文を聞いてくれます。
「クラブラウンジとしてのメニュー」は無いようでしたが、口頭での説明によるとビール、ワイン(赤、白、泡)、スピリッツ各種、ソフトドリンク各種など、バーの通常メニューを無料で注文できるようでした。
私たちが最初に利用したのは、チェックイン後の15時頃です。この時間帯でもお酒を注文できるということで、喉の渇きを癒すために早速ビールを頂きました。ナッツなどのつまみも小皿で付いてきます。

こちらは息子が注文したアップルジュース。なんと本物のリンゴをスライスして入れてくれました。リゾート感があります。

この時に対応してくれたのはとてもホスピタリティがある人で、頼んでもいないのにマカロンを持ってきてくれたりしました。おそらく息子と一緒だったからで、ヨーロッパは全般的に小さい子どもに優しいです。

お酒のお替わりを勧めてくれましたが、この後すぐに観光に出かける予定だったので遠慮しておきましたw。
観光を終え、夕食を外で食べて20時ごろにホテルに戻ってきた際も、ラウンジに顔を出してみました。客は私たちの他に3組ほどで、バーのメニューブックを見ながら注文していたので、「クラブラウンジとしての利用」ではなく、一般客だと思われます。
私たちは食事を済ませていたので、ワインを一杯だけ頂くことにしました。やってきたのはグラスに並々と注がれたこちら。300mlはあるんじゃないでしょうか?

サクッ飲んで帰る予定でしたが、予想以上にワインが大量だったので、地元のお姉さんの歌唱パフォーマンス(英語のヒット曲中心)を聞きながら30分ほどまったり過ごました。
ワインを飲み干す頃にスタッフがお替わりを勧めてくれましたが、さすがに遠慮しておきました。
なお、私たちは2泊3日の滞在中2日とも夕食を外で食べたので、ラウンジでの軽食を試す機会がありませんでしたが、スタッフによるとカクテルタイムにはタパスセットのような小皿料理が4皿ほど出てくるようで、メニューも毎日変わるようです。曰く「夕食になるほどの量ではない」とのことでしたが、次回泊まる機会があったら試してみたいです。
このラウンジの優れている点
シェラトン・リスボア・ホテル&スパのクラブラウンジは、有料のLobby Barをマリオット上級会員に無料で開放するという珍しい形式ですが、意外とこの運用も良いのではないかと思いました。理由は以下のとおりです。
混雑が少なく怪しい利用客がいない
最近はマリオットのプラチナ会員以上が増えていることもあり、どのホテルのラウンジでも夕方~夜にかけてのカクテルタイムは混雑する傾向があります。中には、無料なのを良いことに非常識な量の食べ物・飲み物を強奪している人もいます。

一方で、シェラトン・リスボア・ホテル&スパのラウンジではスタッフによる有人対応で個別に注文する必要があるため、若干利用の敷居が高いです。そのためか、そもそもの利用客が少なく、マナーの悪い使い方をする人も見ませんでした。
また、普通のマリオット系ホテルのラウンジだとカードキーによる解錠で、スタッフが利用資格を確認しないことも多いのため(特にヨーロッパ)、明らかに「利用資格のない同僚を連れ込んでるだろ?」というような大人数グループの宴会状態を目撃することがありますが、こちらのホテルでは必ずスタッフがチェックするので、その心配はありません。
秩序が保たれ雰囲気が良い
上で紹介した理由とリンクしてますが、混雑が少なく怪しい利用客がいないので、全体的にラウンジの雰囲気がとても良いです。通常のクラブラウンジでありがちな、我先にと食べ物を奪いに行くようないわゆるラウンジ〇じきもおらず、秩序が保たれています。
本来、「クラブラウンジ」や「エグゼクティブラウンジ」というのはこういうものだと考えさせられました。シェラトンやウェスティンもマリオットに統合される前(SPGの頃)は今ほど上級会員が多くなく、全体的にクラブラウンジが平和だったと記憶しているので、その頃のことを思い出してしまいました。
サービスが良い
元々有料でそれなりのお金をとっているLobby Barをラウンジとして使わせてもらえるので、有料レベルの洗練されたサービスを受けることができます。セルフサービスの気軽さが好きな人もいるかもしれませんが、スタッフもしつこい感じはしないので、私はこの方式が気に入りました。
フィットネス、プール&スパ

シェラトン・リスボア・ホテル&スパの2階には、フィットネスセンターとスパ関連の施設があります。
フィットネス
フィットネスセンターは、宿泊客であれば24時間利用可能です。入口でカードキーをかざして解錠する仕組みです。
中はこんな感じで、想像以上に広い空間が広がっています。


プール&スパ
プールとスパ施設は、入口にスタッフがいるので受付を済ませてから入場します。プールは屋外にあり、季節が真冬だったので今回は利用しませんでしたが、公式HPによるとこんな感じでリゾート感満点です。

公式HPでは有料との記載がありますが、マリオットのプラチナ会員以上と「プールアクセス付き」の部屋に泊まっている客であれば、無料で利用できると思われます。ちなみに公式HPでは、一番安い部屋でもプールアクセス付きと記載されています(2025年2月時点)。ただ、念のため最新情報は直接ホテルに確認してみてください。
また、同じエリア内にサウナもあるようですが、今回は観光で忙しかったので利用する機会がありませんでした。次回泊まる機会に試してみたいと思います。
まとめ
この記事では、2025年2月に子連れで2泊したシェラトン・リスボア・ホテル&スパの宿泊レビューを紹介しました。
リスボンという土地柄もあり、街中にあるわりにはリゾートっぽい雰囲気もあるホテルで、マリオットに統合される前のシェラトンらしさも残っていると感じました。クラブラウンジの方式は賛否両論があるかもしれませんが、優雅で落ち着いた雰囲気を楽しむというラウンジ本来の在り方には合致しているように思います。あとは朝食がもう少し充実すれば言うことなしです。
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ポルトガル旅行に関してはこちらの記事もありますので、ぜひご覧ください。