猫助です。今日は転職活動・中途採用における外資系と日系企業の違いについて語ります。
みなさん転職活動していますか?現在日系企業で働いていて、外資系への転職を考えている人は次のような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
・外資系企業への転職って日系と何が違うんだろう?
・初めて外資系に応募するから不安だな…
このような疑問を持っている方に向けて、この記事では転職/中途採用における外資系企業と日系企業の違いについて、求職者と採用側の両方の視点からお伝えします。
なお私は転職経験5回、採用側としては50名以上の候補者を面接してきました。
転職活動全般に関する基本的な心構えについてはこちらの記事をご覧ください。
外資系と日系企業の全般的な違いについてはこちらの記事をご参照ください。
募集要項(JD)の違い
日系と外資系では、募集要項(ジョブディスクリプション=JD)に次のような違いがあります。
- 募集要項/JDの長さ
- 外資系は英語だけのJDも
- 外資系の場合、ポジションによってはJDの全記載が英語ということもあります。具体的にはグローバル直轄部門の求人やHiring Managerが外国人の場合が当てはまります。
ただ、転職エージェントによるとフル英文JDの場合は募集が集まりにくいそうです。まぁ最初から最後まで英語だけで書かれていると普通の日本人は尻込みしそうですよね…。私がHiring Managerを務めていた求人でも、最初は英文だけのJDを会社の採用HPとLinkedInに公開していたのですが、あまりに募集が来ないので途中から日本語も併記するようにしましたw
- 外資系の場合、ポジションによってはJDの全記載が英語ということもあります。具体的にはグローバル直轄部門の求人やHiring Managerが外国人の場合が当てはまります。
人事の役割の違い
日系企業では一般的に人事部の権限が強く、中途採用においてもほぼ必ず人事による面接がありますし、人事の判断で不採用という決定をすることもあります。
これに対して外資系企業では、採用活動において人事部は単なる事務屋に過ぎないことが多いです。そもそも外資系では日本のような総合職という考えは存在せず、基本的に部門別・職種別の採用を行っており、部門の中で採用を統括するHiring Managerが絶大な権限を持っていることがほとんどです。したがって人事の役割は主に以下のようなアドミ的な業務に留まります。
外資系の中途採用における人事の主な役割(あくまで一例です)
- Hiring Managerから「こういう人材を採用したい」というリクエストを受けて求人情報を必要な媒体に掲載(自社採用HP、転職サイト、転職エージェントなど)。JD自体はHiring Managerがドラフトすることが多い。
- 応募があった場合、候補者が最低限の募集条件を満たしているかをチェック(学歴、経験年数、資格など)。条件が客観的に満たされていれば、候補者情報をHiring Managerに連携して書類選考を依頼。会社によっては、Hiring Managerによる選考の前に人事が候補者に接触して現在の状況や希望条件などをヒアリングする場合もある。
- Hiring Managerによる書類選考の結果、合格の場合は候補者/転職エージェントと面接日程を調整。不合格の場合はその旨を連絡。
- Hiring Managerおよびその上司や関係者が2-3回の面接を実施。その都度面接日程を調整し、面接後に結果のフィードバックを回収して社内システムに格納。
- 採用部門側で内定を出すと決定した場合、内定に必要な社内決裁を部門に代わって人事が取得。決裁後オファーレターを作成。
- 内定を候補者に通知。続いてオファー面談を実施しオファー条件を説明。
- 候補者がオファー受諾後、入社日調整。
応募プロセスの違い
応募書類の提出
外資系企業にたくさん応募している人はご存じかもしれませんが、最近の大手外資はWorkdayという採用管理システムを使用している会社が多く、応募に必要な記入事項はほぼ全てWorkday上で入力する形をとっています。会社によって必須入力項目は異なるのですが、大体似ています。
また、自分で用意したレジュメ(職務経歴書)をWorkdayにアップロードすれば、その情報を読み取って基本情報を自動的に入力してくれる機能もあります。志望動機のような項目も無いことがほとんどなので、応募にかかる労力は少ないです。
一方、日系企業ではWorkdayのような共通プラットフォームを利用している会社は少なく、大手であれば自社独自の採用HPから応募書類を提出する形式が多いです。会社ごとに異なるインターフェースであり、必須項目も異なるので入力に時間がかかりますし、「志望動機」や「取り組んでみたい仕事」を必須にしている会社もあるので手間がかかります。
英文レジュメ
外資系の場合、ポジションによっては英文レジュメの提出が必須の場合もあります。募集要項(JD)が日本語で書かれていても、グローバル直轄部門の求人やHiring Managerが外国人の場合は英文レジュメ必須の旨が記載されていたり、一次面接までに提出するよう求められることがあります。
外資系への転職を考える場合は、いつでも英文レジュメを出せるように準備しておくとよいでしょう。
面接プロセスの違い
面接官の人数
外資系の場合、一度の面接で登場する面接官は基本的に一人だけのことが多いです。つまり候補者と一対一で向き合うという形です。私も外資で面接官として50人以上を面接してきましたが、全て一人で実施しました。一回当たり1時間の一対一の面接を、面接官を変えて複数回行うというイメージです。
これに対して日系では、一度の面接で複数の面接官が出てくるケースも珍しくありません。よくあるのは一次面接でHiring Managerと人事担当者、二次または最終面接で部門長と人事部長というケースです。
どちらが良いとは一概には言えませんが、候補者としては相手が複数の方が威圧感を覚えやすいのではないでしょうか。
外資は面接官が外国人の場合も
外資系では外国人の面接官が英語で面接を実施することもあります。私の経験上、管理部門のマネージャー以上ポジションであれば、ほぼ100%外国人との面接があると思っていいでしょう。一方で営業部門の場合はそこまで海外とのやりとりがないので、部門長クラスのシニアポジションでのみ外国人との英語面接が設定される傾向があると思います。
余談ですが、外国人の面接官は面接の初めに自ら自己紹介し、これまでのキャリアや現職での役割などについて話してくれる場合がほとんどですが、日本人の面接官は日系・外資を問わずそのようなバックグラウンドを共有する人は少ないと思います。下手すれば自分の名前や所属すら名乗らずに面接を始める者もいるほどですw
質問の傾向
あくまで一般的な傾向ですが、日系では面接官がテンプレートに沿った質問を順番に投げかけてくることが多いように思います。よくあるテンプレ項目は自己紹介、新卒から今までの職歴、ブランクがある場合はその説明、志望動機、当社について知っていること、現職での役割、当社で活かせるスキル、やってみたい仕事、強味・弱み、マネジメント経験・スタイル、現年収、希望年収、他社応募状況、入社可能時期などです。これらの項目をコンプリートするかのごとく、チェックリスト点検のような形で淡々と進めることが結構あります。
一方外資では、テンプレ項目自体は会社ごとに用意されているものの、それに縛られずに面接官がその時に聞きたいことをランダムに質問してくることが多いように思います。また「現職でどのような役割を担っていて、それを当社でどのように活かせるか」に重きが置かれるので、日系のように新卒から今までの全ての職歴を時系列で聞かれるようなことは少ないと思います。ブランクがあっても、今の仕事で実績があれば問題にされません。
脈なしの場合の対応
面接官の立場からすると、面接を開始してすぐに「この人はないな」と判断することがあります。
そのような時でも、日系の場合はとりあえず用意してきたテンプレ質問を全部コンプリートしようとする傾向があると思います。面接評価表のテンプレ項目は全部埋めるよう人事から要請されているのかもしれません。一時間で予定していた面接を15分で終わらせるようなことはあまり聞いたことがありません。
一方で外資系というか外国人面接官の場合、採用する可能性がゼロと判断した時点で時間の無駄なので、自分からの質問は早々に打ち切ったうえで、相手の質問がなければ速攻で面接を終了します。その方がお互いのためであると考えているからです。
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筆記試験
外資系企業の中途採用では筆記試験はほとんどないと思います。あるとしてもコンサル等の職種のケーススタディ的な試験ぐらいです。
一方で日系では、中途採用でも新卒のような「適正試験」が課されることが珍しくありません。いわゆるSPIのようなもので、多くの人は新卒の就活時に経験したことがあると思います。個人的には、職務経験を有する中途採用者に対してSPIのような基礎学力・処理能力・ポテンシャルを図るための試験を行う意味が理解できません。百歩譲って何らかの筆記試験を課すとしても、募集職種に関連する専門知識を図るような試験の方が意義があると思うのですが、皆さんはどう思いますか?
内定プロセスの違い
リファレンスチェック
外資系では、オファーを出す前後のタイミングで多くの会社がリファレンスチェック(Reference Check)を行っています。候補者の働きぶりや素行についてチェックするためのもので、一般的には前職あたりの上司や同僚を照会先とすることが多いです。日系企業でこれを行っている会社はほとんどないと思われるので、外資系特有のプロセスと言えるかもしれません。
リファレンスチェックは意外と重要なので、外資系への転職を考えている人は会社を辞めた後も元上司と良好な関係を維持して、連絡を取れるようにしておきましょう。
バックグラウンドチェック
こちらも外資系によくある手続きで、候補者の前歴などについて問題が無いかを調べるものです。最近はバックグラウンドチェック専門の調査会社に外注することが多く、調査会社が候補者の氏名をネットや独自データベースで検索して変な情報が出てこないかを調べたり、法令上可能な範囲で前科や破産歴がないかを調べたりします。
調査にはある程度時間がかかるため、最終面接でOKであればとりあえず先にオファーを出しておき、オファー条件の中で「バックグラウンドチェックで重大な問題が見つかった場合は内定を取り消すことがある」などと記載してあくことが多いです。
まとめ
この記事では、転職における外資系と日系企業の主な違いについて紹介しました。外資系の中途採用では英語対応が必要な場合があったり、日系とは異なる対策が必要となることもありますが、応募書類の提出や面接プロセスでは外資の方が合理的と思われる面もあります。
外資系や大手日系への転職を考える場合、転職サイトに登録して情報収集するのが一般的ですが、ビズリーチへの登録はもはや必須と言ってもよいでしょう。ハイクラス案件を扱うエージェントからどんどんスカウトが届きますし(的外れなスカウトは無視してOK)、企業から直接カジュアル面談などの依頼が来ることもあります。私の所にも毎日のように何かしらのメッセージが届いています。
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外資系企業への転職を希望する場合、外資転職独自のノウハウやネットワークを持っている転職エージェントを使うと心強いです。
また、経理や人事、法務、総務など管理部門の転職も特化型エージェントが頼りになります。会計士や弁護士向け求人もたくさんあります。
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転職をするにあたり、今や転職口コミサイトのチェックは必須と言って良いでしょう。下記のサイトでは、登録後48時間以内であれば各企業の上位口コミ10件が見放題なので、面接前に応募先の口コミをチェックしておきましょう。
職種にもよりますが、外資系で活躍するためには高い英語力が求められることが多いです。この機会に、ビジネス英語を本気でブラッシュアップしてはいかがでしょうか。
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当ブログでは、下記のとおり転職や仕事関連の記事がありますので、併せてご覧ください。