MSCベリッシマの姉妹船である「グランディオーサ」の地中海クルーズに、家族3人で乗船した際のレビュー記事第二回目です。今回はクルーズ2日目に寄港したマルセイユのおすすめ情報と、子供たちに大人気の船内アクアパークの詳細などを中心にご紹介します。
前回の記事は以下をご覧ください。
マルセイユに入港
この日の予定
クルーズ2日目は、南仏プロヴァンスの中心都市であるマルセイユに寄港です。公式スケジュールでは午前9時に入港、午後6時に出港の予定となっています。今回のクルーズ全体をとおして言えることですが、出港時間が結構遅いので、現地での滞在にゆっくり時間を割くことができます。
ブッフェで朝食
乗船後最初の朝食は、15階にあるブッフェレストランで頂きました。ブッフェエリア全体の造りや席数は、ベリッシマとほぼ同じです。朝7時半頃に訪れるとまだ空いていて、窓側の席を確保できました。
このクルーズでは基本的に乗客の行動開始時間が遅いようで、ブッフェも毎日朝8時頃になってようやく混んでくるようでした。また、混雑時でも奥の方に行けば必ず空いている席がありました。
この点、2023年のGWに日本でベリッシマに乗船した時とは対照的でした。ベリッシマでは日本人乗客が大多数だったこともあり、みんな律儀に朝早くから行動していて、ブッフェも7時~8時半ごろまで席を確保するのが難しいほどの超混雑ぶりでした。
さて、今回のグランディオーサの朝食ブッフェのメニューですが、基本的には日本路線のベリッシマと大差はありません。もちろん日本食はありませんが、肉料理、温野菜、サラダ、卵料理各種、様々な総菜、果物など、種類豊富な食べ物が用意されています。また、パンやチーズの種類もとても充実しています。メニューは毎日少しずつ異なり、ニシンの酢漬けが用意されている日もありました(おいしいのでおすすめ)。
ベリッシマでも人気だった、丸々一個の焼きリンゴもありました。
朝食を食べ終わる頃には、船はマルセイユの港に着岸するところでした。クルーズターミナルの建屋はスタイリッシュなデザインで、乗客用の駐車場が併設されていて便利そうです。
反対側の岸には、P&Oクルーズの客船が停泊していました。ユニオンジャックをあしらったデザインが目を引きます。
P&Oクルーズというのは初めて知りましたが、イギリスのクルーズ会社のようで、ダイヤモンドプリンセスと同じ「カーニバル・コーポレーション」の傘下とのことです。
下船~旧市街へ移動
クルーズターミナルは市街地から遠い
部屋に戻って準備を整え、午前9時半頃に下船しました。グランディオーサは乗客数6,000人以上の大型カジュアル船なので大混雑を覚悟していましたが、意外とすんなり船の外に出ることができました。
なお、グランディオーサが停泊したクルーズターミナルは、観光スポットが点在するマルセイユの旧市街地中心部からは10kmほど離れています。下記の地図の赤丸で囲んだ場所がクルーズターミナルで、下の青丸が中心部です。
タクシーで市中心部まで移動すると、片道40€以上かかるようです。公共のシャトルバスもありますが、乗り場がターミナルから結構離れていて炎天下の中子連れで歩くのは現実的ではなく、バスの本数も少ないとのことです。
仕方がないので、MSCが用意するクルーズ用シャトルバスのチケットを購入することにしました。値段は大人が往復17€、子供が15€で、親子3人合計49€と結構な金額です。ただ、往復でタクシーよりは安いので良しとします。シャトルバスの車内はこんな感じです。ちゃんとエアコンが効いてました。
なお、他の寄港地でも同様でしたが、今回のクルーズでMSCのシャトルバスは全て有料でした。私たちが以前日本でベリッシマに乗船した時は無料でしたが、今は日本ではどのような運用になっているのでしょうか。
強烈な日差し
シャトルバスにはすぐに乗車でき、20分ほどで旧市街のマルセイユ大聖堂近くに到着しました。
雲一つない、目が覚めるような青空です。気温は30度ほどですが、日差しが異様に強く、直射日光が当たる場所ではもの凄く暑く感じます。
ちなみに今回のクルーズの寄港地全てで、同じような天候でした。真っ青な空と乾いた空気は最高に気持ち良いですが、外出の際は帽子とサングラスは必須です。ペットボトルの水も多めに持っていくことをおすすめします。
地中海博物館を見学
シャトルバスを降りて私たちが最初に向かったのは、ヨーロッパ・地中海文明博物館(Musée des Civilisations de l’Europe et de la Méditerrané)です。マルセイユ大聖堂から道路を挟んで目の前です。
博物館の建物自体が芸術作品のような美しさです。
入場料は大人一人18€(18歳未満の子供は無料)ですが、大人2人と子供5人までで訪れる場合は、お得なファミリーチケットが18€で購入可能です。
展示内容については、正直に言って想像していたものとは少し異なっていました。当初私たちが求めていたのは、地中海エリアの歴史や文化・風俗、芸術などを体系的に解説・展示しているものでした。
しかし実際の展示は、この地域で古代に使われていた石器や銅器、服飾品の紹介があったかと思えば、何の脈絡もなくフランスお得意の前衛的な近代絵画や彫刻の展示が現れたりして、ちぐはぐな印象は否めませんでした。
ただ、展示自体は個人的には微妙でしたが、1階の左奥にある子供用の遊びスペースが結構充実していて、息子は楽しそうでした。子供スペースは博物館のチケットを購入しなくても利用できるので、子連れの方は休憩のためだけに利用しても良いかもしれません。
博物館見学が不発気味だったので、市内周遊バスにでも乗ろうかと思いましたが、チケット売り場が長蛇の列だったため諦めました。この日は一度に2隻の大型クルーズ船が寄港ですからね…。
ちなみにバスだけでなく、機関車型のhop-on hop-offサービスもありました。白と青のマリンカラーがかっこいいです。
念願のブイヤベースを堪能
トラムで移動
時間はすでにお昼近かったので、マルセイユでの一番の目的であるブイヤベースを食べるために、旧市街のレストラン街に向かうことに。移動手段は、電車好きの子供の希望によりトラム(路面電車)で行くことにしました。
マルセイユ大聖堂付近から6~7分ほど歩き、Jolietteという最寄り駅に到着。トラムの車両も港町マルセイユらしく、青と白のマリンカラーが爽やかです。
券売機で2回分乗車券(3ユーロ台だったと思います)を大人2枚分購入しました。ちなみに券売機は英語表示を選択することできます。
間もなくT3線の車両が来たので乗り込みました。
チケットは、車内にある機械にタッチすることで有効化できます。有効化してから60分間、乗り換えも含めて乗車することができるようです。車内はこんな感じで、結構きれいです。
マルセイユ旧市街を歩く
10分ほど乗車した後、Rome Davsoという駅で降りました。
改めて見ると、トラムの先頭車両は船の船長さんの顔のように見えませんか?上の白い部分が船長帽子のようにも見えます。
駅から5分ほど歩き、港の近くのレストランが集中しているエリアに向かいました。相変わらず強烈な日差しで、少し歩くだけで頭がクラクラしてきます。
途中、日本人にも人気のフードコート的な施設にも立ち寄ってみました。
建物の中には計10店舗ぐらいの様々なジャンルの飲食店があり、新鮮なシーフード(牡蠣、海老、カニなど)を提供している店が特に人気のようでした。
フードコートで食べても良かったのですが、私たちはやはりブイヤベースを食べたかったので、海側にもう少し歩いて良さそうなレストランを探すことにしました。
テラス席で生牡蠣とブイヤベース
結局、広場に面したこちらのレストランがランチコースでブイヤベースを出していたので、入ることにしました。
店に入ると、気持ちの良いテラス席に案内して頂きました。日よけのパラソルがあるので、暑さはあまり感じず、地中海からの乾いた風がひたすら気持ち良いです。
まずは地元のロゼワインをボトルで注文。比較的カジュアルな店でしかもランチですが、抜栓後は一応テイスティングを求められました。形骸化している習慣ですが、私は結構好きです。
盛夏の南仏で真っ青な乾いた空の下、テラス席で優雅に昼間からキリっと冷えたロゼを頂くのは、控えめに言っても最高ですね。
こちらのレストランでは、24€で前菜、メインとデザートが付くコースが頼めます。それぞれのカテゴリー内では5~6種類のメニューから好みの品を選ぶことができます。
まずは前菜が運ばれてきました。私が注文したのは生牡蠣で、殻付きの状態で6個ありました。妻が頼んだのは貝の盛り合わせで、生牡蠣3個、生のムール貝が3個、サザエのような貝が2個ありました。
生牡蠣は新鮮で、ミネラル感のあるロゼワインとの相性が抜群でした。妻のお皿からムール貝を一つもらいまいしたが、生で食べるのは初めてで、少し磯臭さはあるものの、コクがあっておいしかったです。
続いてメインの料理がやってきました。もちろん2人ともブイヤベースです。本場のブイヤベースを食べるのは、実は今回が初めてです。
サフラン色のスープは白身魚と貝類のだしに加え、おそらく海老の頭やカニの甲羅を砕いてとった旨味も加わり、海そのものを食べているかのような濃厚な味わいでした。具もたくさん入っていて、白身魚、ムール貝に大きなじゃがいもが入っていて、ボリューム満点。じゃがいもはスープの味が良く染みて味わい深かったです。大満足でした。
デザートに頼んだのはアップルパイです。甘すぎずさっぱりしたリンゴとサクサクのパイ生地と、クリームの組み合わせがおいしかったです。妻が頼んだチョコレートケーキもなかなかの逸品でした。
シーフード盛りだくさんのランチを満喫した後は、マルセイユの街をぶらぶら歩き、再びトラムで大聖堂付近まで移動。MSCのシャトルバスに乗り込み、船まで戻りました。
ちびっ子大興奮のアクアパークが楽しすぎ
アクアパークの魅力
グランディオーサに戻ったのは、午後3半過ぎです。部屋に着くと、息子の熱烈な希望ですぐにプールに向かいました。前日と同様、15階の一般プールエリアは激混みでしたが、19階のアウレア専用エリアは平和でプライベート感があります。まずはカクテルを飲みながらまったりしてから…
子供達に大人気の、19階にある「ワイルドフォレスト・アクアパーク」に向かいました。
前回の記事でもお伝えしたとおり、このアクアパークはベリッシマのものとほぼ同じ造りですが、いろんな遊具やアトラクション、楽しい仕掛けが盛りだくさんで、子供にとっては一日いても飽きないような空間になっています。
施設の入口付近には15m四方ほどの池があります。深さは大人の膝丈ほどですが、小さな子供にとっては溺れる心配なく泳げる、ちょうどよい深さになっています。池の中には大きな噴水や無数のウォータースプレーのような器具があり、回転しながら全方位に水を噴射しまくっています。
ここでは水に濡れずにいることは不可能です。ちなみにアクアパークでも他のプールと同様、海水を使用しているので水はしょっぱいです。
3m以上の射程距離があるウォーターガンも2つあります。息子はこれがお気に入りで、よく他の子供と撃ち合いをしていました。私に向けても容赦なく放水してきます。
大人も夢中でウォーターガンを発射しています。楽しそうですね。
なお、ベリッシマも同様ですが、MSCの大型客船のアクアパークの目玉は、巨大なスライダープールです。
グランディオーサ/ベリッシマには3つの大型スライダープールがあり、それぞれ身長と年齢制限があります。私たちが利用した時は、スライダーの種類によって身長110cm or 122cm以上かつ7歳以上のみ利用可という制限がありました。うちの息子は年齢制限に引っかかるので、残念ながら利用できませんでした。
代わりに小さな子供向けのミニスライダーが端の方にあり、息子はそれで毎日数えきれないほど繰り返し遊んでいました。ミニスライダーと言っても結構本格的で、チューブ型かつカーブも結構きついです。
多くの子供たちが、滑り終わると一目散に順番待ちの列に並び、また滑っては並びを繰り返していました。子供が楽しそうに遊んでいる姿を見ると、親も笑顔になりますね。
ミニスライダー乗り場付近の頭上には巨大な桶があり、少しずつ自動で水が溜まるようになっています。
水が大体5分ほどで一杯になると、桶がひっくり返って周囲に盛大に水をまき散らします。
本当に滝のような凄まじい量の水が落ちてくるので、最初は一瞬何が起こっているのか理解できませんでした。直撃を受けると、当然全身ずぶ濡れになります。アクアパークに行く際は、親はプールに入らないとしても、絶対に濡れても良い恰好で行きましょう。
アクアパークには、他にも下記のように水が段々に落ちていく治水システムのような遊具があったり、複数の動物型の小型すべり台が設置されています。
本当に子供を飽きさせない工夫が満載で、親子共に大満足の施設です。
また、アクアパーク内には小さなバーもあり、飲み物やアイスクリームを調達することもできます。
気になった点
全体的にグランディオーサのアクアパークには満足しましたが、一点だけ気になったのが、マナーの良くない子供たちが結構いたことです。前回の記事でもお伝えしたとおり、今回のクルーズの乗客の95%以上は地中海周辺のヨーロッパ諸国の人達です。
日本とは文化やマナーが違うので難しいところですが、例えば下記の写真のように、濡れた床を野球のスライディングのように勢いよく滑ったりしている子が結構いました。もちろん普通の通路です。
しかも、小学校高学年~中学生ぐらいの結構体が大きい子も勢いよく床を滑っていて、足をすくわれて転びそうになっている大人もいました。このような様子を見ても、スタッフや他の大人は全然注意していませんでした。MSC的には、あるいは現地のルール・マナー的にはこれもアリというのであればそれまでですが、個人的には危険だと思いました。
なお、日本路線でベリッシマに乗船した時は、日本人乗客が大半ということもあり、私が経験した範囲ではこのようなカオスな状況にはなっていなかったことを付け加えておきます。
アウレア専用エリアはやはり良い
終了時間の午後5時までアクアパークを満喫した後は、再び19階のアウレア専用エリアに移動。ジャグジーで体を温めてから、モヒートを飲んだりしてまったり過ごしました。
アウレア専用エリアは喧噪とは無縁で、本当にリラックスできます。今回のクルーズでもアウレアにして正解でした。
ディナー
メニュー・ドリンクパッケージ紹介
この日は午後7時半過ぎにレストランに向かいました。前日と同様、この時間だとまだ客もまばらです。前日に続き、ホンジュラス出身のMarelさんに窓側の席に案内して頂きました。ちなみにこの日のディナーメニューは下記のとおりです。
前菜にはアスパラガスのスープを頂きました。
美味しかったですが、良くも悪くも「懐かしのMSCのスープ」という感じでしょうか。私見ですが、MSCのレストランのスープってベースは全て共通で、おそらくじゃがいものポタージュ風のベーススープに追加で味付けを施すことで、「〇〇スープ」というバリエーションを出しているのだと思われます。なので、どのスープを飲んでも何となく似た味と舌触りを感じます。繰り返しですが、味はおいしいので満足です。
メインに頂いたのは、牛肉の煮込みです。奥の方に写っている妻のメイン料理は、チキンのパルメザン焼きです。
牛肉は日本人好みの柔らかいものではありませんが、個人的には少し噛み応えがあるくらいが好きです。味付けも美味しかったです。合わせたワインはカベルネ・ソーヴィニヨン。
ちなみに、今回の私たちのクルーズ料金には、一番リーズナブルなEasyパッケージというドリンクパッケージが付いています。一杯7€までのドリンクが飲み放題というものです。このパッケージでカバーされるワインは、白が2種類(シャルドネとピノ・グリージョ)、赤が2種類(カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー)、ロゼ1種類、泡1種類(プロセッコ)です。
それぞれのワインは、値段が値段なのですごく上等というものではありませんが、シンプルでくせがなく、色んな食事に合わせやすいものでした。カジュアル船ですし、個人的にはこれで充分です。
ちなみにグランディオーサのレストランやバーではいろんな種類のビールが注文できますが、一番安いドリンクパッケージでカバーされるのは、ハイネケンだけでした。
こちらはデザートに頂いたチョコレートケーキ。まぁまぁでした。
アトリウムでライブ演奏
ディナーの後に立ち寄った6階のアトリウムでは、バンドの生演奏が行われていました。
スペイン語の定番曲か何かを歌っているようで、周囲の観客は盛り上がっていました。私たちは曲自体は知りませんでしたが、演奏・歌ともに上手だったので満足です。
このようにして、クルーズ2日目もあっという間に過ぎていきました。まだ5日も残っているので、この後も充分楽しんでいきたいです。
まとめ
この記事では、家族3人で乗船したMSCグランディオーサの地中海クルーズで、乗船2日目に寄港したマルセイユのおすすめ寄港地情報に加え、船内アクアパークの魅力などについてご紹介しました。
次回以降の記事は以下をご覧ください。
今回の乗船記で紹介しているMSCグランディオーサとほぼ同型の「MSCベリッシマ」は、日本路線で多数のクルーズを運航しています。2024年秋~冬にかけても沖縄を含む多数のコースが設定されており、最安料金では3万円台から販売されているようですので、ぜひ検討してはいかがでしょうか。
\ 最安3万円台から /
船会社を問わず地中海クルーズに興味のある方は、日本からの航空券付きのツアーを手配するのがおすすめです。コースによっては、日本人添乗員が同行してくれる場合もあります。
\ 憧れの地中海・エーゲ海 /
当ブログでは、以下のとおりクルーズ関係の記事が多数ありますので、ぜひ併せてご覧ください。
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